麦草峠

長野県茅野市,南佐久郡八千穂村; 2000年8月14日撮影


深い森に湖が点在する北八ヶ岳。国道299号線はこの北八ヶ岳を横切って茅野から麦草峠を越え,
途中で分岐して八千穂(国道)と松原湖(県道)を結ぶ,山岳道路です。メルヘン街道などという
ちょっと洒落たニックネームを持つ「観光道路」だそうですが,普段は交通量も少ない静かな道。
最高地点の麦草峠標高2127mは,森の中に開けた草原です。
 

 麦草峠にて

麦草峠バス停。シーズン中は麦草ヒュッテの前までバスが入る。中央線茅野駅と長野新幹線佐久平
駅より。
 

クガイソウ (九蓋草) Veronicastrum sibiricum
   ゴマノハグサ科クガイソウ属

山地の開けた草原や斜面に生える多年草。高さ100〜120cmほど。長楕円状で両端が尖る披
針形の葉が4〜8枚輪生する。夏から秋,茎の先に長い穂のような花序を出して,淡紫〜青紫色の
小さな花を多数つける。和名は九階草または九蓋草で,輪生した葉が何段にも重なる様子をたとえ
たもの,という。秋風にそよぐ,紫色の尻尾。(トラノオは別の植物)
 

シナノオトギリ (信濃弟切) Hypericum kamtschaticum var. senanense
 オトギリソウ科オトギリソウ属

シナノオトギリ(黄色い花)とヨツバシオガマの実。
岩場に生える高山植物だが,亜高山帯の林縁にも生える多年草。高さ30cmほどになる。葉は卵
状楕円形で長さ2cmほど,明点がある。夏,径2cmほどの黄色い花を咲かせる。山野に生える
同属のオトギリソウは薬草として用いられる。和名は,秘薬を人にもらした弟を兄が怒って斬った,
という伝説に由来するという。
 

オヤマリンドウ (御山竜胆) Gentiana makinoi
  リンドウ科リンドウ属

亜高山帯〜高山帯の草地に生える日本特産の多年草。高さ20〜60cm。葉は対生して広被針形
または狭卵形,長さ2.5〜7cm,幅0.5〜2.5cm。縁はなめらか。直立した茎の先端と
すぐ下の葉の脇に数個の花をつける。花冠は濃い紫色で長さ2〜3cm。花は,これ以上は開かな
いらしい。
 

ホソバノヤマハハコ (山母子) Anaphalis margaritacea var. angustolia
  キク科ヤマハハコ属

長野県以西の西日本のやや高い山地に生える多年草。高さ30〜60cmで直立する。葉は細長く,
長さ6〜9cm,幅は2〜6mm程度。葉の幅がヤマハハコに比べてやや細く,表面に薄く綿毛が
残って白っぽく見える。茎の先端に白い頭花を散房状につける。白いのは総苞片で中心に淡黄色の
小花を咲かせる。エーデルワイスの親戚。意外と写真写りの良い花である。
 

マルバダケブキ (丸葉岳蕗) Ligularia dentata
  キク科メタカラコウ属

高さ1m近くになる大型の多年草。フキに似た径40cmくらいの丸くて大きな葉をつける。深山
のやや湿り気のある場所に見られる。花は黄色で散房状,径は8cmほどと大型。
 

 ヤナギランとアキアカネ。白い花はシシウド。
 

アキノキリンソウ (秋黄輪草) Solidago virga-aurea var. asiatica
 キク科アキノキリンソウ属

日当りのよい山地に見られる多年草。高さ20〜80cm。葉は卵形から先の尖った披針形で長さ
4〜9cm,幅1.5〜5cm。茎の先や上部の葉の脇に,散房状または総状に径1cm位の多数
の黄色い花をつける。和名は秋に咲く,キリンソウに似た花の意だが,キリンソウはベンケイソウ
科の植物で,キク科ではない。
 

ハクサンフウロ (白山風露)  Geranium yesoense var. nipponicum
 フウロソウ科フウロソウ属

高原や高山の草地に生える多年草。高さは30〜80cm。葉は幅が5〜6cmで,てのひら状に
大きく5〜7裂,それぞれの裂片はさらに細かく分裂し,両面にあらい毛がある。紅紫色の花は径
2.5〜3cm。花弁の基部に白い軟毛がある。
 

ゴマナ (胡麻菜) Aster glehnii var. hondoensis
 キク科シオン属

山地の日当りのよい草地に生える多年草。高さ1〜1.5mと背が高く,わさわさと生えている。
葉は尖った長楕円形で長さ10〜15cm,両面にあらい毛があり,互生する。秋口に,茎の先が
多数の小枝に分枝して,径1.5cmほどの頭花を散房状につける。舌状花(周辺の花びら然とし
た部分)は白,筒状花(中心の部分)は黄色である。
 

ヤマオダマキ (山苧環) Aquilegia buergeriana
  

 キンポウゲ科オダマキ属

深山の林の縁や道端に生える多年草。高さ30〜50cmかそれ以上。茎はまばらに枝分かれして,
先に径3〜3.5cmの花を下向きにつける。花弁は5個で先はクリーム色,基部はわずかに外側
に反って距(角状の部分)になる。萼はとがった卵形,紫褐色でやはり5個ある。この株のように
萼も淡黄色になっていて,キバナノヤマオダマキと呼ばれるものもある。
 

 麦草峠にて

針葉樹の森が切れたところに広がる,クマザサの明るいはらっぱである。
 


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