富士山五合目奥庭

山梨県南都留郡鳴沢村; 2000年8月16日撮影


富士スバルライン五合目終点の手前1.5km,御庭・奥庭駐車場より遊歩道を下ると奥庭自然園。
山腹噴火の火口の跡と言われています。天狗の庭とも呼ばれる,矮小化したカラマツやコメツガな
どからなる原生林で,高山植物の種類も豊富なところ。五合目ターミナルの喧騒を離れて,静かな
富士山を。
 

ホタルブクロ (蛍袋) Campanula punctata
  キキョウ科ホタルブクロ属

各地の山野に普通に見られる多年草。富士山五合目奥庭付近では,高さは10〜15cmほどだが
3〜4cmほどもある不釣合いに大きな花を咲かせる。スバルラインの道端にも多く,かなり標高
の低いところから見ることができる。
 

オンタデ (御蓼) Polygonum weyrichii var. alpinum  別名 イワタデ
  タデ科タデ属

高山の砂礫地に生える雌雄異株の多年草。茎は高さ30cm〜1mになる。花は茎の先に円錐状に
つき,黄白色の小花を多数つける。和名の御蓼は,木曽御嶽山で発見されたことによる。別名の岩
蓼は,岩地に生えることから。
 

 天狗の庭

奥庭自然園入り口にある奥庭荘売店。宿泊可なので,ここを拠点に探索するのが好。
奥庭荘の前にはでっかい火山弾が腰を据えている。その昔,天狗サマが山頂から小脇に抱えて降り
て来てここに据え付け,踏み台にしていたという伝説が残る。


コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
 ツツジ科スノキ属

苔のように生え,桃のような(食べられる)実をつける,コケモモ。
高山のハイマツ林や針葉樹林の林床にはえる常緑の小低木である。葉は革質で厚みがあり長楕円形,
長さ5〜20mm,幅3〜10mmくらい。花はややピンクを帯びた白い5mmくらいのツリガネ
型。実は赤く熟して径10mm弱。あまり甘くない。この実を採ってジャムにする,焼酎に漬ける。

→コケモモ(花)
 

ミヤマシャジン (深山沙参) Adenophora nikoensis var. stenophylla
   キキョウ科ツリガネニンジン属

ヒメシャジンの変種。高さ20〜60cmくらいの多年草。数本が株立ちとなって群生する。花は
青紫色で長さ1.5〜2.5cmほど,茎の先端に1〜10個程度が下向きに咲く。
 

   奥庭の森

コメツガ,シラビソなどの常緑針葉樹,カラマツなど落葉針葉樹,ダケカンバなど広葉樹。がさが
さの火山砕屑物からなる貧栄養の土壌,安定しない地盤,強風などの厳しい気候条件により,これ
らの木々は大きく育たず,矮小化している。高さ3m程度のカラマツも樹齢は百年以上とか。

林縁にはハクサンシャクナゲ,ナナカマドといった潅木。その下生えにコケモモ。森の中は一面に
苔が。
 

 奥庭展望台より富士山

奥庭荘から歩いて10〜15分ほど。溶岩と矮小化した木々の織り成す自然庭園をゆく。
 

 風衝木

強い風に煽られ,特定の方向に枝がなびいている。この付近は西〜西北西からの強風にさらされる
ことが多いらしい。
 


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