富士スバルライン

山梨県富士吉田市,南都留郡河口湖町,鳴沢村; 2001年6月24日,25日撮影


富士スバルラインは富士山の北側・河口湖と吉田口五合目を結ぶ県営の有料道路。麓の標高870
mから五合目の標高2305mまで登ってゆくうちに,アカマツと広葉樹の森がシラカバやダケカ
ンバの夏緑広葉樹林帯に,さらにシラビソ・コメツガなどの亜高山針葉樹林帯へ遷移していく様子
が逐一観察できます。森だけでなく,沿道に咲く山野草の花も要チェック。
 

6月24日撮影

  三合目付近

樹海台駐車場のあたり。ダケカンバの混じる針葉樹林帯。鬱蒼とした森も,高度が上がるにつれ少
しづつ変化してゆく。
 

シロバナヘビイチゴ (白花蛇苺) Fragaria nipponica
   バラ科オランダイチゴ属

深山の日当りのよい草地に生える多年草。葉は根生し,3小葉をつける。細い花茎の先に純白の径
1.5〜3cmほどの花をつける。麓近くから五合目奥庭あたりまで道端にあまねく分布している
が,二合目樹海台駐車場から上,特に三合目の大カーブ付近は道端が白くなるほどの大群落。
 

フジハタザオ (富士旗竿) Arabis serrata
  アブラナ科ハタザオ属

富士山の砂礫地や岩場に生える多年草。高さ10〜30cm。葉は茎を抱くように互生し,あらい
鋸歯がある。花は白い十字状で1cm以上とこの仲間のなかではやや大振り。標高2000mを過
ぎたあたりから,道端にも多くみられるようになる。四合目大沢駐車場付近。
 

イワキンバイ (岩金梅) Potentilla dickinsii
   バラ科キジムシロ属

山地の岩石地に生える多年草。小葉は3〜5枚,縁に尖った鋸歯がある。茎は高さ10〜30cm
程度。四合目大沢駐車場付近。
 

ミヤマハンショウヅル (深山半鐘蔓) Clematis ochotensis
  

 キンポウゲ科センニンソウ属

深山の針葉樹林の縁や,高山のハイマツの中などに生える木質のつる植物。3枚の鋸歯のある尖っ
た卵形の葉をつける。長い花柄を葉の間から出して,濃い紫色で長さ2.5〜4cmの鐘形の花を
1つ咲かせる。写真の株は,まだ開ききっていない。四合目大沢駐車場付近。
 

  四合目から五合目奥庭へ向かう

標高2000mを越えると空気もひんやり。彼方の大雲海を見やりながら,雲上サイクリング。天
と地の境目をゆく。
 


五合目奥庭自然園の山小屋,奥庭荘に泊。翌日,付近を散策したのちスバルラインを下る。昨日撮
りもらした山野草を狙いながら,いつもの倍以上の時間をかけて下る。麓の富士吉田に着いた頃は,
夏至の頃の長い日もとっぷり暮れて・・・
 

6月25日撮影

ベニバナイチヤクソウ (紅花一薬草) Pyrola incarnata
   

  イチヤクソウ科イチヤクソウ属

深山の,カラマツ林の中などに群生する。葉は円形または円状楕円形で,根元に2〜5枚集まって
つく。花茎は高さ15〜20cmに立ち上がり,濃い桃色の径1cmくらいの花を多数つける。薬
草として用いられる同属の植物,イチヤクソウ(一薬草)の紅花種。二合目から四合目にかけて道
端にたくさん咲いているが,特に三合目のカーブ付近の森の中が見事。上段右のみ24日撮影。
 

ヤブウツギ (薮空木) Weigela floribunda
   スイカズラ科

暖地の低山に生える落葉低木。高さ2〜5m。初夏に枝先や葉のわきから,濃紅紫色で長さ3〜4
cmのラッパ形の花を1〜3個ほど束状につける。三合目付近。高山だからといって針葉樹ばかり
でもなく,山麓帯には低地や暖地に生える木もある。
 

シロバナヘビイチゴ (白花蛇苺) Fragaria nipponica
 バラ科オランダイチゴ属

三合目付近に大群落。足の踏み場もないとはこのこと。みんなこっちを向いている...
 

キンポウゲ (金鳳花) Ranunculus japonicus  別名 ウマノアシガタ
  キンポウゲ科キンポウゲ属

日当りのよい山地や野原の土手,草地に生える多年草。群落を作ると,その黄色い花が遠くからで
も良く目立つ。高さ30から70cmで分枝し,花柄の先端に径2〜2.5cmほどの黄色い花を
一つつける。二合目樹海台駐車場付近。
 

ヤマオダマキ (山苧環) Aquilegia buergeriana
  

   キンポウゲ科オダマキ属

深山の林の縁や道端に生える多年草。高さ30〜50cmかそれ以上。茎はまばらに枝分かれして,
先に径3〜3.5cmの花を下向きにつける。花弁は5個で先はクリーム色,基部はわずかに外側
に反って距(角状の部分)になる。萼はとがった卵形,紫褐色でやはり5個ある。萼も淡黄色にな
っているものも多く,キバナノヤマオダマキと呼ばれる。料金所から二合目にかけての道端に多く
みられる。
 

ヤグルマソウ (矢車草) Rodgersia podophylla
  ユキノシタ科ヤグルマソウ属

深山の湿り気のある場所に生える多年草。根生葉は5枚の小葉が手のひら状につき,高さ50cm
くらい。花茎は高さ1m近くになり,数枚の茎葉を互生して先端に円錐状の花序をつける。花は径
6〜8mmほど,はじめ緑白色のち白色になるという。葉の様子が端午の節句の鯉のぼりに添える
矢車に似ているところから,矢車草。なお,左の写真手前に写っている楕円形の葉は別の植物のも
ので,左隅奥に写っているのがヤグルマソウの葉。
 

 スバルライン料金所,PM6:30

真夏のシーズン中は24時間通行可能だが,この時期(6月下旬)は夜間通行止め。
 


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