富士山五合目・御庭とお中道

山梨県南都留郡鳴沢村; 2001年6月25日撮影


富士スバルライン御庭・奥庭駐車場より道路を渡り,富士山側の遊歩道を登ります。森の中を抜け
て,木々がまばらになって見晴らしが良くなってくると御庭(おにわ)。営業を休止している山小
屋の跡があります。お中道はここからスバルライン五合目終点へ,もう一方は大沢方面へ。高山植
物の多い散歩道です。
 

ツバメオモト (燕万年青) Clintonia udensis
  

 ユリ科ツバメオモト属

登り始めて間もなくの森の中で。
深山の針葉樹林などに生える多年草。葉は2〜5枚が根生,長楕円形で長さ15〜30cm。花茎
は20〜30cmの高さに伸び,先端に花柄を持った白い小さな花をつける。実は径8mmほど,
濃い藍色。和名はオモト(万年青)に似た幅の広い葉を持ち,実が燕の色に似ているから,らしい。
 

 御庭より,奥庭方面

奥庭自然園一帯は,富士山の山腹に開いた火口,寄生火山の跡である。ここから見ると火口壁の様
子もよくわかる。青い屋根は奥庭荘。
 

 御庭付近

本来20mくらいまで育つ木々も,強風や安定しない貧栄養の土壌といった悪条件の元で矮小化し
ている。この少し上からは木が生えておらず森林限界をなしているが,これは本来の気候学的な森
林限界ではなく富士山が若い火山であるという地質学的な理由による。いわゆる森林限界は,南ア
ルプスなどこの付近では標高3000m以上になる。
 

 コケモモの群落

苔のようにはえ,桃のような(食べられる)実をつけるところから,苔桃。
 

ミヤマヤナギ? (深山柳) Salix sp.  別名 ミネヤナギ
  ヤナギ科ヤナギ属

中部以北の高山・亜高山に生える低木。ここでは気候が厳しいせいか,30〜50cmぐらいの高
さに這うように繁っている。初夏に綿毛を飛ばす。
 

 お中道

富士山の山腹,五合目付近をぐるりとめぐるお中道。現在この先の大沢崩れ付近の崩落が激しく,
通行止め。一周ルートは寸断されている。
 

ツマトリソウ (褄取り草) Trientalis europaea
  

 サクラソウ科ツマトリソウ属

高山の草地や針葉樹林内に生える多年草。高さ5〜15cm。葉は互生して広披針形,茎の上部に
数枚輪生状にまとまってつく。葉のわきから長さ2〜3cmの花柄を出して先端に径1〜2cmの
白い花をつける。花弁の先が浅紅色に変化するので,褄取りの名がある。
 

 森の中をゆく
 

マイズルソウ (舞鶴草) Maianthemum dilatatum
  ユリ科マイズルソウ属

深山の針葉樹林に多く生える多年草。舞鶴草の名は,葉脈の曲がった様子がツルが羽根を広げたよ
うに見えるところから。高さは10〜20cmくらい,茎の先に小さく白い花を10〜20個程度
つける。
 

タチツボスミレ (立壷菫) Viola grypoceras
   スミレ科スミレ属

山野の普通に生える多年草。高さ5〜15cmだが,花が終わると大きく伸びる。葉は心形で長さ
1〜4cm。花は径1.5〜2cm以上,淡紫色だが変化も多い。花弁の内側は無毛で,唇弁に紫
色のスジがある。
 

 山梨の森百選

富士山のシラビソ天然林。
 

フジハタザオ (富士旗竿) Arabis serrata
 アブラナ科ハタザオ属

苔むした岩のスキ間に。アブラナ科と言われればそんな気もする,高山植物。
 


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