富士山五合目・奥庭とスバルライン

山梨県南都留郡鳴沢村; 2001年8月11,12日撮影


お盆休みの入りばな。富士スバルラインは今日から10日間のマイカー規制に入ります。交通量が
減るので,自転車でのアタックには好都合。おまけに奥庭あたりは空いていて快適... しかし
天気は雨模様。世の中そうそう上手くは行きません。
 

奥庭荘付近 8月11日撮影

ウラジロナナカマド (裏白七竃) Sorbus matsumurana
  バラ科ナナカマド属

気の早いナナカマドが紅葉し始めていた。七回かまどにくべても燃えない堅い木,というところか
らついた名といわれる。高さ2mほどの落葉低木で,亜高山帯の林縁や高山帯下部の潅木林などに
生える。葉の裏面が粉白色を帯びる。真っ赤に紅葉するので,見事である。
 

ホソバノキリンソウ (細葉黄輪草) Sedum aizoon
  ベンケイソウ科キリンソウ属

山地の岩混じりの場所に生える多年草。多肉質。葉は菱状楕円形で鋭い鋸歯をもち,先端は鋭く尖
ることが多い。キリンソウによく似ているが,葉がキリンソウよりも細く見えることが多いことか
らホソバノ〜,と呼ばれる。和名のキリンはビールのラベルについている「麒麟」ではなく,黄色
い花が積み重なる様子から「黄輪」,なのだそうだ。
 

ホタルブクロ (蛍袋) Campanula punctata
  キキョウ科ホタルブクロ属

標高の低い山麓帯からスバルラインの道端に満遍なく見られるホタルブクロ。しかし,このあたり
の株は高山植物らしく(?)低い背丈に不釣合いに大きな花をつける。一株で1〜3・4個の花を
咲かせる。ホタルブクロには萼の裂片の間に反り返った部分があるが,近縁のヤマホタルブクロに
はそれがない。
 

 奥庭の森

樹齢数百年といわれる,このあたりのカラマツ・コメツガ。秋になるとマツタケが出るらしい。
今日は雨模様。ガスが立ち込め,夕暮れ間近なこの時間は神秘的...というより何か出そうな不
気味な雰囲気。
 

マイヅルソウ (舞鶴草) Maianthemum dilatatum
 ユリ科マイヅルソウ属

実をつけたマイヅルソウ。深山の針葉樹林に多く生える多年草。黒い径5〜8mmくらいの球形の
実をつけている。春から初夏にかけて白く小さい花を咲かせる。
 


前日の雨が残り,朝のうちはまだどんより。しかし,午後からは雲も取れて富士山も姿を見せた。
さて,そろそろ下山しようか。
 

奥庭荘付近 8月12日撮影

ムラサキモメンヅル (紫木綿蔓) Astragalus adsurgens var. fujisanensis
   マメ科レンゲソウ属

高山の砂礫地に生える多年草で,茎は地面をはいつつ高さ10〜40cmになる。葉は5〜10対
の小葉を持った羽状複葉。葉の脇から花序を出し,マメ科らしい紫色の蝶型花を密集してつける。
和名は紫木綿蔓,紫色の花の色と根が木綿質であることに由来する。
 

ミヤマシャジン (深山沙参) Adenophora nikoensis var. stenophylla
  キキョウ科ツリガネニンジン属

ヒメシャジンの変種。高さ20〜60cmくらいの多年草。数本が株立ちとなって群生する。花は
青紫色で長さ1.5〜2.5cmほど,茎の先端に1〜10個程度が下向きに咲く。
 

ヤナギラン (柳蘭) Epilobium angustifolium
 アカバナ科アカバナ属

日当りのよい草地に生える多年草。和名は葉の形が柳の葉に似ていてランのような花を咲かせるこ
とによる。茎は直立して高さ1〜1.5m,葉は多数互生して長さ10〜15cmくらい。茎の先
端に長さ10〜50cmくらいの花序を総状につけ,紅紫色の花が下から咲きあがる。花は4弁で
径2〜3cm。花が終わると長さ5〜8cmのさやになり,熟すと白い絹毛をつけた種子が出て風
に乗って飛び散る。
 

 奥庭自然園

カラマツとシャクナゲが自然庭園をなす,奥庭一帯。かつての山腹噴火の火口跡である。
 

コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
 ツツジ科スノキ属

苔のように生え,桃のような(食べられる)実をつける,コケモモ。常緑の小低木である。葉は革
質で厚みがあり長楕円形,長さ5〜20mm,幅3〜10mmくらい。花はややピンクを帯びた白
い5mmくらいのツリガネ型。実は赤く熟して径10mm弱。写真の株は実をつけているが,まだ
青い。
 

オンタデ (御蓼) Polygonum weyrichii var. alpinum  別名 イワタデ
  タデ科タデ属

高山の砂礫地に生える雌雄異株の多年草。茎は高さ30cm〜1mになる。和名の御蓼は,木曽御
嶽山で発見されたことによる。別名の岩蓼は,岩地に生えることによる。
 

 午後。天気は回復した。

さて,そろそろ下山しようか。
 


富士スバルライン 8月12日撮影

ヤナギラン (柳蘭) Epilobium angustifolium
  アカバナ科アカバナ属

スバルライン,四合目付近(4.5合目あたり)の道端。
森林の伐採後や山火事後に真っ先に入り込んで,群落を作る。山岳道路の脇の草地やスキー場など
でもよくお目にかかる。ヨーロッパ,アジア,北米など北半球の温帯に広く分布する。
 

ヤマハハコ (山母子) Anaphalis margaritacea var. angustior
  キク科ヤマハハコ属

中部地方以北の山地,高原などの崩壊地や山岳道路の脇などの日当りのよい乾いた礫地に生える多
年草。茎は直立して高さ30〜60cmで,白い綿毛に覆われている。葉は細長く,表面はつやの
ある緑色,やや厚みがあって3本の葉脈がめだつ。
花は茎の上部に散房状に多数かたまってつき,白い総苞片がうろこ状に重なる。花はその内側,淡
黄色。
 

オンタデ (御蓼) Polygonum weyrichii var. alpinum  別名 イワタデ
 

  タデ科タデ属

花は茎の先に円錐状につき,黄白色の花を多数つける。実は長さ6〜7mmの広楕円形で紅色に染
まる。
 

ムラサキモメンヅル (紫木綿蔓) Astragalus adsurgens var. fujisanensis
 マメ科レンゲソウ属

スバルラインの道端にも。見逃してしまい勝ちだが,よくみれば気品のある紫色が印象的な高山植
物。
 

キオン (黄苑?) Senecio nemorensis
  キク科キオン属

低山から高山帯にかけての日当りのよい草地に生える。茎の高さは1m近くになる多年草だが,こ
こでは高さ30〜40cmくらい。葉は互生し長楕円形,先が尖って縁に鋸歯がある。茎は上部で
枝分かれして先端に径2〜3cmの頭花を散房状につける。
 


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