富士スバルラインと奥庭自然園 その2

山梨県富士吉田市,南都留郡河口湖町,鳴沢村; 2002年8月11日撮影


いやー。走った,登った。今日までの3日間で標高差5500mを登った計算。花もヨシ,星もヨ
シ,奥庭荘のおっちゃんとコケモモ酒も一杯(←いっぱいではなく,いっぱい)。

さあて,気をつけて帰りましょう。下山の道すがら,道端の花を撮りながら。。。
 

ハクサンシャクナゲ (白山石楠花) Rhododendron brachycarpum
  ツツジ科ツツジ属

落葉樹林帯上部から亜高山帯の針葉樹林内に群落を作る常緑低木。のっぺりとした肉厚の葉を枝先
に輪生状につけ,夏季に枝先に花序をだして径3〜4cm,5〜10個の淡いピンク色の花をボン
ボリ状に咲かせる。

奥庭荘前にて,咲き残りが一株。今年の花つきはまあ平年並み,だったそうだ。来年に期待。
 

コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
  ツツジ科スノキ属

亜高山帯から高山帯の針葉樹林の林下に生える常緑の小低木。茎は地中をはって上部が斜めに立ち
上がり,高さ5〜15cmになる。葉は革質で厚みがあり長楕円形,長さ5〜20mm,幅は3〜
10mmくらい。枝先に総状花序をつけ,2〜8個ほどの花を咲かせる。花冠はややピンクを帯び
た白い5mmくらいのツリガネ型。実は赤く熟して径10mm弱。写真の株は実をつけているが,
まだ青い。苔のように生え,桃のような(食べられる)実をつけることから,コケモモ。
 

 奥庭付近の森

カラマツ,コメツガ,シラビソなどを主体とした亜高山帯針葉樹林。ハクサンシャクナゲ,ナナカ
マド,ミネヤナギの仲間などの潅木や小低木が混じる。
 

ムラサキモメンヅル (紫木綿蔓) Astragalus adsurgens var. fujisanensis
   マメ科レンゲソウ属

高山の砂礫地に生える多年草で,茎は地面をはいつつ高さ10〜40cmになる。葉は5〜10対
の小葉を持った羽状複葉。葉の脇から花序を出し,マメ科らしい紫色の蝶型花を密集してつける。
和名は紫木綿蔓,紫色の花の色と根が木綿質であることに由来する。
 

コメツガ (米栂) Tsuga diversifolia
 マツ科ツガ属

亜高山帯下部の針葉樹林に生える常緑高木であるが,ここでは高さ3mほどの低木状。樹皮は灰褐
色でマツのように裂ける。葉は線形・扁平で先がへこみ,長さ5〜10mm,幅1.5〜2mm。
実は秋に熟し,広卵形で褐色,長さ1.5〜2cm,幅1〜1.5cm。
 

カラマツ (落葉松) Larix kaempferi
  マツ科カラマツ属

亜高山帯の日当たりのよい岩礫地に生える落葉高木で火山の斜面に多い。本来高さは30m,横枝
が張って円錐状になるが,ここ御庭・奥庭一帯では風衝地かつ貧栄養の土壌のため,矮小化して高
さ3〜5m程度である。葉は線形で長さ1〜3cm,径1〜1.5mm。実は秋に熟し,卵状球形
で黄褐色,長さ2〜3cm,幅1.5〜2.5cm。
 

オンタデ (御蓼) Polygonum weyrichii var. alpinum  別名 イワタデ
  

   タデ科タデ属

高山の砂礫地に生える雌雄異株の多年草。茎は高さ30cm〜1mになる。和名の御蓼は,木曽御
嶽山で発見されたことによる。別名の岩蓼は,岩地に生えることによる。
 

ホソバノキリンソウ (細葉ノ黄輪草) Sedum aizoon
  ベンケイソウ科キリンソウ属

山地の岩混じりの場所に生える多年草。高さ20〜40cm。葉は長さ4〜6cm,菱状楕円形で
鋭い鋸歯をもち,先端は鋭く尖ることが多い。キリンソウによく似ているが,葉がキリンソウより
も細く見えることが多いことからホソバノ〜,と呼ばれる。和名のキリンは黄色い花が積み重なる
様子から,だそうだ。
 


午後。奥庭を出発,下山にかかります。一気に行かずに四合目,大沢駐車場付近に寄り道。そのあ
とも道端のフジアザミなどを狙いながら,交通規制中でガラ空きのスバルラインをのんびりと下り
ます。
 

キオン (黄苑) Senecio nemorensis
  キク科サワギク属

低山帯から高山帯にかけての日当たりのよい草地に生える多年草。高さ20〜100cm。葉は互
生し,長楕円形ないし披針形で長さ5〜15cm,幅5〜10cm。縁に細かい鋸歯がある。茎の
先に散房状に多数の頭花をつける。頭花は黄色で径2〜3cm,花びらに見える舌状花は5個ほど。
 

イワアカバナ (岩赤葉菜?) Epilobium cephalostigma
 アカバナ科アカバナ属

山地の湿地に生える多年草。高さ20〜50cm。葉は対生し,長楕円形〜披針形で長さ2〜10
cmくらい,幅0.5〜3cmくらい。先はとがり縁には鋭い鋸歯がある。夏,茎の上部の枝に径
5〜8mmほどの白ないし淡い紅色の花を咲かせる。花弁は4個で先は浅く2裂する。雌しべの先
(柱頭)は頭状にふくらんでいる。
名前は秋が近づくと葉が赤くなることに由来する,という。漢字はそれを当てたもの。
 

イワオウギ (岩黄耆) Hedysarum vicioides
 マメ科イワオウギ属

亜高山帯から高山帯の岩礫地に生える多年草。高さ20〜80cmになる。葉は羽状複葉で11〜
25対の小葉からなる。小葉は狭卵形で長さ2〜2.5cm,幅1cmほど。葉の脇から総状花序
を出し,長さ2cm弱の黄白色の蝶形の花を多数咲かせる。名前は,中国産の薬用植物の黄耆によ
く似ていることから。
 

ヤマハハコ (山母子) Anaphalis margaritacea var. angustior
  キク科ヤマハハコ属

中部地方以北の山地,高原などの崩壊地や山岳道路の脇などの日当りのよい乾いた礫地に生える多
年草。茎は直立して高さ30〜60cmで,白い綿毛に覆われている。葉は細長く,表面はつやの
ある緑色,やや厚みがあって3本の葉脈がめだつ。
花は茎の上部に散房状に多数かたまってつき,白い総苞片がうろこ状に重なる。花はその内側,淡
黄色。
 

ナンブアザミ? (南部薊) Cirsium nipponicum?
  キク科アザミ属

山地や草原に生える多年草。高さ1〜1.5mになる。葉は披針状楕円形で全縁または羽状に中裂
するが,深裂して先が長い刺となるものもある(刺が5〜10mmと著しく長い変種ヤツガタケア
ザミなど)。花は横ないし下をむいて咲き,淡紅紫色で径2.5〜3cm。総苞(萼のような部分)
は鐘形で,総苞を覆う総苞片の外片と中片は披針形で外に開く。変異の多い種類。
 

トリカブトの仲間 (鳥兜) Aconitum sp.
  キンポウゲ科トリカブト属

トリカブトの仲間は種類が多く見分けるのは困難だが,ホソバトリカブト Aconitum senanense に似て
いる。

亜高山帯から高山帯の草地に生える。高さ50〜100cm。茎は直立するかやや曲がって伸びる。
葉はさしわたし5〜12cmほどで深く5つに裂け,各裂片はさらに深く裂ける。枝の先や葉の脇
から花序をだし,長さ3〜4cmほどの青紫色の独特な形をした花を咲かせる。
 

ヤハズヒゴタイ (矢筈平江帯) Saussurea triptera
   キク科トウヒレン属

低山から亜高山帯の草原に生える多年草。高さ30〜60cm。茎の先に径1cmほどの淡紅紫色
の頭花を5〜6から二十数個,散房状に咲かせる。矢筈とは矢についてる羽のことで,葉の形が似
ていることによると思われる。
 

ノコギリソウ (鋸草) Achillea sibirica
 キク科ノコギリソウ属

山地の草原に生える多年草。高さ40〜100cm。葉は長さ5〜10cmほどで,くしの歯状に
中〜深裂する。茎の先に密な散房花序をつくる。頭花は径1cm弱で花びらのような舌状花は5〜
7個,白色で長さ3〜4mm。
 

フジアザミ (富士薊) Cirsium purpuratum
  

  キク科アザミ属

山中の砂礫地などに生える多年草。高さは60cm〜1m。葉は大きく,根元に集まり長さ40〜
70cmであらく羽状に深裂し,鋭い刺がある。花は紅紫色で下向きに咲き,径6〜10cmと日
本産のアザミ類のなかではもっとも大きい。総苞片は紫色で縁にとげがあり,反り返っている。
富士山の周辺に多い。根は食用になる。

スバルライン四合目から二合目にかけての道端ところどころに,ばさりばさりと生い茂っているの
が見られる。茎葉も壮大なら花も巨大で,富士山にはお似合い。富士山をバックにキメたかったが,
あいにくスバルライン沿線にはよい撮影ポイントがなかった。
 

 剣丸尾駐車場より

もう,あんなに遠くなってしまった...さて,河口湖の駅前でほうとう喰って,電車乗って帰り
ますか。富士山表裏ツアー,お腹いっぱい堪能しました。(とかいいつつ,この翌週にもさらにも
う一往復していたりする...)
 


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