乗鞍岳桔梗ヶ原・夏

岐阜県大野郡丹生川村; 2001年7月23日撮影


畳平から有料道路の乗鞍スカイラインを平湯温泉方面に少し下った桔梗ヶ原。乗鞍スカイラインは
自転車通行禁止のため,ここまで来たのは車でつれてきてもらった今回が初めて。ハイマツが海の
ようにうねりながら拡がり,道端には高山植物が無造作に咲き誇っています。
 

乗鞍スカイライン・桔梗ヶ原付近 7月23日撮影

 桔梗ヶ原

奥に見えるのは乗鞍岳主峰剣が峰。
乗鞍スカイライン,夏のピーク時の交通規制が検討されている。2003年度から無料化されるら
しいが,その時に予想される混雑対策である。不便にはなるかもしれないが,マイカーで日常感覚
を引きずったまま登ってきて植物を踏み荒らしたり吸殻やゴミを撒き散らす者がいるのも事実。そ
ういう連中にご遠慮願えるなら,歓迎である。ここはそんなお気楽な場所ではないのだ。
 

ミヤマアキノキリンソウ (深山秋黄輪草) Solidago virga-aurea var. leiocarpa  別名 コガネギク 
  キク科アキノキリンソウ属

亜高山〜高山帯の草地や林縁に生える多年草。高さは15〜60cm。葉は卵形から狭くて長い楕
円形,先端はとがり,縁にもとがった鋸歯がある。茎の上部に円錐状または穂状に集まった径15
mmくらいの黄色い花を咲かせる。和名は秋に咲く,キリンソウに似た花の意。
 

コマクサ (駒草) Dicentra peregrina
 ケシ科コマクサ属

火山性の高山の砂礫地に生える多年草。花の形が馬の顔に似ていることから,駒草。
葉は根生するが細かく裂けてパセリ状態。粉白色を帯びる。花茎は高さ5〜15cmまで伸び,先
端に1〜数個の淡紅色で長さ2cm程度の花を下向きに咲かせる。花弁は4個。外側2個の基部は
膨らみ先は反り返り,内側2個は幅が狭く先端が相接して突き出る。

高山植物の女王とも言われて各地で手厚く保護されているが,ここでは柵もなにもない道端に無造
作に生えている。(いちおうロープは渡してあるが,誰かが踏み込んだ足跡があるぞ!)
 

ハイマツ (這松) Pinus pumila
   マツ科マツ属

高山帯で群落を作る常緑低木。本州中部以北の高山帯における代表的な植生である。
幹は分岐して横に拡がり,高さは1〜2m。国の天然記念物,ライチョウの住み処であると同時に,
実は餌になる。道路端にライチョウがついばんだと思しきマツボックリ状の実が転がっていること
がある。

 ハイマツの雌花

花は6月頃開花し,翌年の8〜10月に熟す。実は長さ3〜4cm,幅2cm程度の卵形で,はじ
めは緑褐色のち褐色になる。
 

ゴゼンタチバナ (御前橘) Cornus canadensis
  ミズキ科ゴゼンタチバナ属

マイヅルソウとともに,ハイマツの下生え状態。
針葉樹林下に生える高さ7〜12cmの多年草で,茎の先に4−6枚の葉が輪生上につき,白い花
序をつける。花弁に見えるのは総苞片で,花はその中心に十数個。小さく目立たない。
 

コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
  ツツジ科スノキ属

高山に生える高さ5〜20cmの常緑の小低木である。葉は革質で厚みがあり長楕円形,長さは5
〜20mm,幅3〜10mmくらい。花はややピンクを帯びた白い5mmくらいのツリガネ型で,
下向きに咲く。実は赤く熟して径10mm弱,食べられる。この株は花と熟した実が両方ついてい
るが,実はおそらく去年のもの。
 

オンタデ (御蓼) Polygonum weyrichii var. alpinum  別名 イワタデ
 タデ科タデ属

高山の砂礫地に生える雌雄異株の多年草。茎は高さ30cm〜1mになる。葉は両面とも緑色,茎
の先に花穂をつけ,円錐状に黄白色の花を多数つける。実は熟すと紅色に染まる。
和名の御蓼は,木曽御嶽山で発見されたことに由来する。
 

ミヤマミミナグサ (深山耳菜草) Cerastium schizopetalm
  ナデシコ科ミミナグサ属

高山の岩礫地に生える多年草。高さ10〜20cm程度。葉は対生で線状披針形,長さ1〜2cm
幅数ミリ。茎の先に径2cmほどの白い花をつける。花弁は5枚だが中ほどまで2つに裂け,さら
に浅く2裂するので,20個あるようにみえる。
 

ミヤマキンバイ (深山金梅) Potentilla matsumurae
  バラ科キジムシロ属

高山の礫地や草地に生える多年草。高さ10〜20cm。葉は根元から葉柄をだして3枚の小葉を
つけ,長さ1〜3cmほど,先は円く縁に粗いとがった鋸歯があり,まばらに白い毛がはえる。茎
は上部で枝分かれして,先端に径2cmほどの黄色い花を数個つける。花びらの先はへこんでいる。
 

ムシトリスミレ (虫取菫) Pinguicula vulgaris var. macroceras
  タヌキモ科ムシトリスミレ属

高山の湿り気の多い岩場や草原などに生える多年草。高さ5〜15cmほど。スミレに似た紫色の
花を咲かせるがスミレの仲間ではなく,タヌキモ科の食虫植物。淡緑色の葉の表面に粘液を分泌し,
虫を捕らえて消化する。
 

ウサギギク (兎菊) Arnica unalaschcensis var. tschonoskyi  別名 キングルマ
  キク科ウサギギク属

高山の草地に生える多年草。高さ10〜30cm。葉は対生して倒卵状長楕円形〜倒披針形,長さ
は5〜15cm弱で先がするどい。和名は長く一対出る葉の様子をウサギの耳に見立てたところに
由来する。夏,対生または互生する小さな葉をつけた花茎を伸ばし,先に径4〜5cmの黄色い花
を一つつける。
 

ヨツバシオガマ (四葉塩竃) Pedicularis chamissonis var. japonica
   ゴマノハグサ科シオガマギク属

高山の草原に生える高さ20〜50cmの多年草。葉は4枚が輪生し,羽根状に深裂する。茎の先
に,4個づつ輪生する花を数段つける。花冠は紅紫色だが,淡いものや白花もある。
和名の由来は,葉まで美しい→浜で美しい→塩竃,という連想だそうだが...
 

コウメバチソウ (小梅鉢草) Parnassia palustris var. tenuis
   ユキノシタ科ウメバチソウ属

高山の草地や岩上にはえる多年草。高さ5〜15cm。葉は根元に集まって付き,丸く1〜2cm
ほどで基部は心形。白い花は径15〜20mmで,雄しべと雌しべの間にある仮雄しべが7−11
片に裂けている。ウメバチソウの高山型変種。和名は梅鉢の紋に由来するという。
 

ミヤマダイコンソウ (深山大根草) Geum calthaefolium var. nipponicum
  バラ科ダイコンソウ属

高山の礫地や岩の割れ目に生える高さ15〜30cmの多年草。根生葉は3〜5枚の小葉に裂けて
長い柄を持つ。目立つのは頂小葉で,径4〜14cmの大きな円形で縁に不ぞろいに裂けた鋸歯が
ある。花茎は上部でまばらに枝分かれして,径2cmくらいの黄色い5弁の花をつける。花びらは
円形で,先がややへこむ。和名は近縁のダイコンソウの根生葉が羽状複葉で,ダイコンの葉に似て
いることから由来する。
 

オオカサモチ? Pleurospermum camtschaticum?  別名 オニカサモチ
 セリ科オオカサモチ属

山地〜亜高山帯の草地に生える多年草。高さ1〜1.5mになるが,高山帯の乗鞍岳では高さ40
cmくらい。葉は薄く,細かく切れ込む。夏,大型の複散形花序を作り,径3mmくらいの細かい
白い花を咲かせる。セリ科に多い,花火のような花のつき方を複散形花序という。

セリ科の植物の分類は種子を見ないと難しい,という。とりあえず,見た感じで名前を決めている
程度なので,その点お含みおきください。(他の植物についても同等...専門家ではありません
ので)
 

ミネウスユキソウ (嶺薄雪草) Leontopodium japonicum var. shiroumense
  キク科ウスユキソウ属

低山に多いウスユキソウの高山型変種。高山の乾いた草地や礫地に生える。高さ5〜15cmの多
年草。葉は狭い長楕円形で先がとがる。茎の先端に6〜7個の花がかたまってつく。白い花びらに
見えるのは苞葉で,楕円形で数個あり,白い綿毛が両面に密生する。
 


→エリア別山の花写真集・インデックスへ