乗鞍岳畳平・夏 その1

長野県南安曇郡安曇村,岐阜県大野郡丹生川村; 2001年7月23日,24日撮影


おなじみ乗鞍岳畳平のお花畑。今年はどうやら全般に花期が早く,ハクサンイチゲはすでに散りか
け,気の早いチングルマは種子をつけ,コイワカガミもピークをわずかに過ぎていました。昨年は
8月上旬で丁度見頃だったのですが。
 

鶴ヶ池,白雲荘付近 7月23日撮影

ミヤマキンバイ (深山金梅) Potentilla matsumurae
 バラ科キジムシロ属

ハイマツが切れて日当りのよくなった場所に群生していた。高山の礫地や草地に生える多年草。高
さ10〜20cm。茎は上部で枝分かれして,先端に径2cmほどの黄色い花を数個つける。黄色
い梅に似た花を咲かせるところから,金梅草。
 

マイヅルソウ (舞鶴草) Maianthemum dilatatum
  ユリ科マイヅルソウ属

深山の針葉樹林に多く生える多年草。舞鶴草の名は,葉脈の曲がった様子がツルが羽根を広げたよ
うに見えるところから。高さは10〜20cmくらい,葉は卵心形で長さ3〜7cm,基部は心形
で先はとがる。茎の先に小さく白い花を10〜20個程度つける。
 

ミヤマアカバナ (深山赤花) Epilobium foucandianum
  アカバナ科アカバナ属

高山や深山の渓流沿いや,やや湿った草地に生える多年草。高さは5〜20cm。葉は長さ1〜4
cmの長卵形。上部の葉の脇から花柄を出し,先に径約5mmの淡紅色の花を1つつける。花弁は
4個で先は2裂する。
 


畳平のバスターミナルの脇から下に下りる遊歩道のまわりは,そのまんま高山植物園となっていま
す。植物園と言っても,特に人が手入れしたり植物の栽培を行っているわけではく,天然自然の高
山帯草原植生です。くれぐれもロープを踏み越えて踏み荒らしたりすることのないように。
7月23日・24日の2日にわたって撮影。
 

乗鞍畳平,高山植物園(バスターミナル付近) 7月23日,24日撮影

コバイケイソウ (小梅恵草) Veratrum stamineum
  ユリ科シュロソウ属

高山や深山の湿地にはえる多年草。高さ1mくらいになる。葉は広楕円形で互生して長さ8〜15
cm,幅3〜5cm。円錐花序に白い花を多数つける。
群生することがあるが,年によって勢いに差があり,今年はややハズレ。
 

ミヤマクロユリ (深山黒百合) Fritillaria camtschatcensis var. alpina
  

  ユリ科バイモ属

高山の草地に生える多年草。高さ10〜50cmくらいだが,畳平では25cmくらい。茎の先端
に1〜2個の花をつける。花は暗紫褐色で,6枚ある花被片は長さ2〜3cm。両性花と雄花があ
る。花に悪臭のあることは,意外と知られていない。
 

モミジカラマツ (紅葉唐松) Trautvetteria caroliniensis var. japonica
 キンポウゲ科モミジカラマツ属

亜高山〜高山帯の湿った草地などに生える多年草。高さ30cmほど。根生葉は円形で7〜9個に
裂け,鋸歯がある。茎葉は小型でてのひら状に3〜5個に裂ける。茎の先に散房花序を出し,径1
cmほどの白い花を数個咲かせる。花弁はない。
葉の形がモミジに,花の様子がカラマツの葉ににていることからこの名がある。
 

シナノヒメクワガタ (信濃姫鍬形) Veronica nipponica var. sinano-alpina
  ゴマノハグサ科クワガタソウ属

ヒメクワガタの変種で,北アルプス中部以南,中央アルプス,南アルプスに分布。果実の先がへこ
まないのがヒメクワガタとの違いとか。
高山の草地に生える高さ7〜14cmの多年草。葉は対生して卵状楕円形,浅い鋸歯がある。茎の
先に短い花序を出して,数個の小さい淡青紫色の花をつける。花は皿型だが,花冠は深く4裂。
 

ヨツバシオガマ (四葉塩竃) Pedicularis chamissonis var. japonica
   ゴマノハグサ科シオガマギク属

高山の草原に生える高さ2〜50cmの多年草。葉は4枚が輪生し,羽根状に深裂する。茎の先に,
4個づつ輪生する花を数段つける。花冠は紅紫色だが,淡いものや白花もある。
 

ハクサンイチゲ (白山一花) Anemone narcissiflora
  

   キンポウゲ科イチリンソウ属

高山の湿り気のある草原に生える多年草。高さ15〜40cmくらい。3〜4枚の柄のない茎葉を
輪生させ,茎葉の中心から数本の花柄を散形状に出して先端に径2cmほどの花を1個づつつける。
花弁はなく,5個の白い花弁にみえるのは萼片である。
学名は花がスイセン(ナルキス)に似ていることにちなんでいるらしい。ヨーロッパアルプスでも
見られる。

年によっては,あたり一面雪が積もったように咲きそろうことがあるが,今年はすでにピークを過
ぎていた。
 

 遊歩道にて,ミヤマダイコンソウ。
 

イワツメクサ (岩爪草) Stellaria nipponica
  ナデシコ科ハコベ属

高山の岩礫地などに生える多年草。マット状に拡がり,高さは5〜20cmくらい。葉は線形で長
さ1〜3cmで先がとがる。枝先に径1.5cmほどの1〜数個の白い花をつける。花弁は5個だ
が,2つに深く裂けているので10個あるように見える。
 

ミヤマキンバイ (深山金梅) Potentilla matsumurae
 バラ科キジムシロ属

葉は根元から葉柄をだして3枚の小葉をつけ,長さ1〜3cmほど,先は円く縁に粗いとがった鋸
歯があり,まばらに白い毛がはえる。キジムシロみたいな径50cmくらいの丸い群落。そっくり
テーブルの上にでも置いておきたい。
 

チングルマ (稚児車) Sieversia pentapetala
   バラ科チングルマ属

高さ15cmほどの落葉小低木。高山の雪渓近くの草地に生える。枝は地を這って羽状複葉の葉を
密生させる。枝先に直立した10cmくらいの花柄を伸ばし,先端に径2〜3cmの雄しべと雌し
べが多数ある白い花を1つつける。花が終わると花柱が羽毛状に3cmほど伸びる。実はこの羽状
の花柱をもったそう果の集合体で,風車のように見えることから稚児車から転じて名がついたとの
説がある。
 

 摩利支天岳コロナ観測所入り口の鞍部から,乗鞍高原方面を望む。

汗をかきかき,自転車で登って来た山岳道路が見える。はるか下まで,えんえんと続いているのが
見える。 …風が心地よい。
 

ミヤマダイコンソウ (深山大根草) Geum calthaefolium var. nipponicum
  バラ科ダイコンソウ属

ガラガラの礫地や岩の割れ目に生えているミヤマダイコンソウ。ひ弱なように見えて実はたくまし
い高山植物。しかし,ノルかソルかのぎりぎりのところで生活しているわけで,触れたりせずにそ
っとしておくのが良。
 

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