乗鞍岳畳平・夏 その2

長野県南安曇郡安曇村,岐阜県大野郡丹生川村; 2001年7月23日,24日撮影


乗鞍岳畳平のお花畑,その2。やはり天気が良いと,花の色も冴え渡ります。曇ってガスがたち込
めていたりするのもそれなりに風情があるけれど。今年のピカイチは,コマクサ。
 

乗鞍畳平,高山植物園(バスターミナル付近) 7月23日,24日撮影

 7月24日,県境尾根から畳平駐車場方面

観光バスが列をなす,相変わらずの畳平の混雑。畳平は岐阜県領。長野県側には,大雪渓付近にわ
ずかな収容台数しかない小さな駐車場しかないので,岐阜県側でマイカー規制が始まれば駐車場が
ない長野県側の県道乗鞍岳線も交通規制に同調せざるを得ない。自転車にとっては歓迎だけど,地
元の観光業関係者にとっては死活問題に ...なるかもしれないし,ならないかもしれないし。
 

チングルマ (稚児車) Sieversia pentapetala
  バラ科チングルマ属

高さ15cmほどの落葉小低木。高山の雪渓近くの草地に生える。花が終わり,実をつけたところ。
花柱が羽毛状に3cmほど伸び,風車のように見える。
 

イブキボウフウ (伊吹防風) Seseli libanotis var. japonica
 セリ科イブキボウフウ属

低山〜亜高山帯にかけて広く分布する,日当りのよい草原に生える多年草。ここでは高さ30cm
ほどだが,1mくらいになる。花火のような複散形花序を出し,小さな白い花を多く咲かせる。
 

 ハクサンイチゲ,クロユリ,ミヤマキンバイ

白・黒・黄色。高山植物,トワコロール。
 

ミツバオウレン (三葉黄連) Coptis trifolia
   キンポウゲ科オウレン属

高山や深山のやや湿り気のある草原や亜高山針葉樹林内,高山のハイマツ林下などに生える常緑多
年草。葉はミツバのような3出複葉,倒卵形でやや厚く光沢がある。高さ5〜10cmの花茎の先
に白い5枚の萼片をもつ径7〜10mmの花を一つ開く。
 

コイワカガミ (小岩鏡) Schizocodon soldanelloides form. alpinus
  

 イワウメ科イワカガミ属

高山の草地に生える常緑の小低木。葉は長さ,幅ともに1.5〜3cmくらいの円形または広卵形
で,表面にはつやがあり縁には低い鋸歯がある。高さ5〜10cmに直立する花茎の先に数個の花
をつける。花は筒状漏斗形,紅紫色で径1〜1.5cm,長さ1.5〜2cm。先が細かく裂ける。
和名は,近縁種のイワカガミが岩場に多く,葉に光沢があることから鏡に見立てたことによる。
 

アオノツガザクラ (青栂桜) Phyllodoce aleutica
  

 ツツジ科ツガザクラ属

高山に生える高さ10〜30cmの常緑小低木。湿気のある草地や岩場に群生する。葉は革質線形
で互生し,枝の上部に密集してつく。枝先に毛の生えた花柄を伸ばし,4〜7個の花が下向きに咲
く。花冠は淡黄緑色で卵状つぼ形,長さ6〜8mmで先が5裂する。

畳平では,チングルマ,コイワカガミとともに群生していることが多い。
 

ウラジロナナカマド (裏白七竃) Sorbus matsumurana
 バラ科ナナカマド属

亜高山の林縁や高山帯下部の低木林中に生える,高さ1〜2mの落葉低木。9月の末ころになると
これが真紅に紅葉して,見事。
 

 不消池(きえずがいけ)

黄色い花はミヤマダイコンソウ。涼しい風が吹き抜ける。この調子なら,午後遅くまで天気は持ち
そうだ。
 

 大雪渓と乗鞍岳主峰剣ヶ峰

主峰剣ヶ峰までは,畳平から歩いて1時間から1時間半ほど。
 

ミヤマハタザオ (深山旗竿) Arabis lyrata var. kamtschatica
  アブラナ科ハタザオ属

山地から高山帯の岩の間や砂礫地に生える高さ10〜50cmの多年草。根元の葉は倒卵形で柄が
あり,倒卵形で先が円い。茎葉は細く線形で,長さ1〜15cm。径10mmくらいの白い十字状
の花をまばらにつける。
 

コガネイチゴ (黄金苺) Rubus pedatus
  バラ科キイチゴ属

亜高山帯〜高山帯の林下に生える。この株もハイマツ林の下生え状態。
地をはう草状の落葉性小低木。葉は鳥の足状に5ないし3小葉がならび,先は円い。両面に短い伏
毛がある。花は径1.5cmほど。花弁は白く,4〜5枚で広楕円形,先は円い。
 

コマクサ (駒草) Dicentra peregrina
  

    ケシ科コマクサ属

火山性の高山の砂礫地に生える多年草。花の形が馬の顔に似ていることから,駒草。
葉は根生するが細かく裂けてパセリ状態。粉白色を帯びる。花茎は高さ5〜15cmまで伸び,先
端に1〜数個の淡紅色で長さ2cm程度の花を下向きに咲かせる。花弁は4個。外側2個の基部は
膨らみ先は反り返り,内側2個は幅が狭く先端が相接して突き出る。

県境尾根から摩利支天岳コロナ観測所への道路脇のガレ場に多い...が,その気になって探さな
いと見えてこない。
 

 鶴ヶ池とお花畑

こうしてみると高山のお花畑だが,列をなす観光バスのお尻からカメラを突き出して撮っている。
ちょっと狙いがズレると,道路やクルマが写りこむ。幻滅だけど,それが現実。
 

イワギキョウ (岩桔梗) Campanula lasiocarpa
   キキョウ科ホタルブクロ属

左端は畳平の高山植物園遊歩道にて,中・右は鶴ヶ池の乗鞍スカイラインの車道沿い。
高山の岩礫地や岩場に生える多年草。葉は根元に集まって付き,倒卵形または被針形,光沢がなく
ふちに粗く歯牙がある。夏,5〜15cmの花茎を伸ばし,先端に花を1つやや上向きにつける。
花冠は青紫色,鐘形で5裂し,長さ2〜2.5cmで無毛。

よく似た場所でよく似た花を咲かせるチシマギキョウ。こちらは葉に光沢があり,花は横向き。花
冠の内側からふちにかけて白毛が生える。乗鞍にもあるらしいが,あまり多くはないようだ。
 

ウサギギク (兎菊) Arnica unalaschcensis var. tschonoskyi  別名 キングルマ
 キク科ウサギギク属

午後の日を浴びて,ウサギギク。高山の草地に生える多年草で高さ10〜30cm。長く一対出る
葉の様子をウサギの耳に見立てた。
 

 国民休暇村・乗鞍橋付近より,午後の乗鞍岳

名残惜しいが,下山する。いい一日だった。
 

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