乗鞍岳畳平・秋 その2

長野県南安曇郡安曇村,岐阜県大野郡丹生川村; 2001年9月1日撮影


自転車レースが終わり,そのあと乗鞍高原の小学校での折り紙教室も終わって,さあ帰るか...
ところが,夏風邪をこじらせて咳の発作がたびたび。これはもう「温泉療法」しかない!とばかり
に予定を変更,乗鞍高原に長逗留。今日は天気も良いし風邪の方も落ち着いたので,一走り畳平ま
で...。
 

 ユースの食堂より

午前中は良い天気。恐竜のホネのような雲が流れる。秋の雲,絹雲。
 

乗鞍畳平,高山植物園(バスターミナル付近) 9月1日撮影

 県境尾根から鶴ヶ池

午後2時頃。午後からは雲がかかることが多い。
 

  

上から見下ろす,畳平の高山植物園。高山帯の草原のなかに遊歩道が整備されている。一周30分
〜1時間ほど。ガスがかかって世の中右も左も真っ白け,になっても足元だけは見えるので,よほ
どの悪天候でもなければぜひ訪れていただきたいところ。バスターミナルでは「花の乗鞍岳」とい
うようなズグレモノの参考書も販売されているので,これを片手に歩くと楽しめます。

畳平駐車場からひと登り,もっとも手近(?)な魔王岳へ。
 

コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
 ツツジ科スノキ属

びっしりと苔のように生えて,桃のような(食べられる)実をつけるコケモモ。高山に生える,高
さ5〜20cmの常緑の小低木である。今年実った実が赤く熟してきた。それほど甘くない。
 

ハイマツ (這松) Pinus pumila
 マツ科マツ属

ハイマツの実。ライチョウのえさにもなる。熟すのに丸一年かかる。
 

イワギキョウ (岩桔梗) Campanula lasiocarpa
   キキョウ科ホタルブクロ属

澄んだ青色が印象的なイワギキョウ。県境尾根から鶴ヶ池付近。
高山の岩礫地や岩場に生える多年草。葉は根元に集まって付き,倒卵形または被針形,光沢がなく
ふちに粗く歯牙がある。夏,5〜15cmの花茎を伸ばし,先端に花を1つ,やや上向きにつける。
花冠は青紫色,鐘形で5裂し,長さ2〜2.5cmで無毛。
 

 花冠は普通5裂だが,6裂しているのは珍しい。
 

トウヤクリンドウ (当薬竜胆) Gentiana algida
 リンドウ科リンドウ属

高山の砂礫地にはえる多年草。しばしば群落をつくる。花冠は長さ3〜5cm,緑色の斑点がある。
この花が咲き終わると,畳平は秋本番。そして初雪が...
 

ウラジロナナカマド (裏白七竃) Sorbus matsumurana
   バラ科ナナカマド属

亜高山の林縁や高山帯下部の低木林中に生える,高さ1〜2mの落葉低木。葉は9〜13枚の小葉
からなる奇数羽状複葉。小葉は長楕円形で長さ3〜6cm,幅1〜2cmで裏面が粉白色を帯びる。
球形または広楕円形で径1cmくらいの赤い実をつける。秋には真紅に紅葉し見事であるが,風に
弱く台風にすっかり吹き払われてカラ振り,ということもある。
 

ミヤマダイコンソウ (深山大根草) Geum calthaefolium var. nipponicum
 バラ科ダイコンソウ属

咲き残りのミヤマダイコンソウ。不消池付近。
高山の礫地や岩の割れ目に生える高さ15〜30cmの多年草。花茎は上部でまばらに枝分かれし
て,径2cmくらいの黄色い5弁の花をつける。よく似た花をつける植物は,畳平付近では他にシ
ナノキンバイやミヤマキンバイなどがあるが,ミヤマダイコンソウは良く目立つ大きな円形の葉を
繁らせるので見分けやすい。
 

ヨツバシオガマ (四葉塩竃) Pedicularis chamissonis var. japonica
  ゴマノハグサ科シオガマギク属

高山の草原に生える高さ2〜50cmの多年草。葉は4枚が輪生し,羽根状に深裂する。
花が終わり,実をつけているところ。
 

 岩のスキ間にイワギキョウ。植物園の遊歩道にて。

 紅葉したミヤマダイコンソウの葉。草モミジ。植物園に遊歩道にて。

 木道が整備されている。

両側には足の踏み場もないくらいに各種高山植物がびっしり。草原には踏み込まないように。
 

チングルマ (稚児車) Sieversia pentapetala
   バラ科チングルマ属

高さ15cmほどの落葉小低木。高山の雪渓近くの草地に生える。花が終わり,実をつけたところ。
花柱が羽毛状に3cmほど伸び,風車のように見える。夕陽に透かしてみると羽毛がきらきらと輝
いて,なんとも風情がある。
 

コバイケイソウ (小梅恵草) Veratrum stamineum
  ユリ科シュロソウ属

実をつけたコバイケイソウ。
高山や深山の湿地にはえる多年草で高さ1mくらいになる。葉は広楕円形で互生して長さ8〜15
cm,幅3〜5cm。円錐花序に白い花を多数つける。葉は秋に黄色くなり,群生している場所で
は見事な眺め。
 

 天気が回復して,夕陽が差し込む。午後5時頃。

 太陽が三つ!

珍しい,幻日(げんじつ)と呼ばれる現象。空気中の微小な氷のかけらによって太陽光線が屈折して
現れるらしい。恵比寿岳の右肩に虹色に輝くのが,それ。太陽をはさんで反対側にも同じような光点
が。
 

 秋の夕陽に

国民休暇村・鈴蘭橋付近より。
茜に染まる夕焼け雲と乗鞍岳のシルエット。旅の締めにふさわしい,エピローグ。
 


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