双子池と北八ヶ岳の森

長野県茅野市,佐久市,南佐久郡佐久町; 2002年7月27日撮影


大河原峠から20分ほどで双子山へ。山頂手前にある平べったい岩は,昼寝するのに格好です。
広々とした山頂からは,蓼科山,横岳と深い北八ヶ岳の森。さらに北側には佐久平の町並みとその
向こうには浅間山まで一望できる,眺めのよい場所。
 

 双子山山頂にて

頂上はクマザサやイネ科の植物の草原。結構風当たりが強い。
 

オオヤマフスマ (大山衾) Moehringia lateriflora  別名 ヒメタガソデソウ
  ナデシコ科オオヤマフスマ属

山地や草原に生える小型の多年草。高さ10〜20cm。茎は細く,細毛がある。葉は対生して楕
円形または長楕円形,長さ1〜2.5cm,両面に細毛がある。さしわたし10mmに満たない白
い小さな5弁花をつける。
 

ガンコウラン (岩崗蘭) Empetrum nigrum var. japonicum
   ガンコウラン科ガンコウラン属

高山の砂礫の多い草地に生える常緑の小低木。茎は地をはって広がり,マット状になる。高さ10
〜15cmほど。葉は革質で線形,長さ4〜8mm。雌雄異株。実は液果で径5〜10mmの球形,
黒く熟す。
 

コケモモ (苔桃) Vaccinium vitis-idaea
  ツツジ科スノキ属

高山に生える5〜20cmの常緑小低木。葉は密に互生して,革質でつやがある1cmくらいの長
楕円形。花は少し淡紅色を帯びた白色の釣鐘形で6〜7mm,枝先に3〜8個下向きにつく。実は
球形で赤く熟し,食べられる。
 

 樹林帯をゆく

双子山の山頂を過ぎると間もなくカラマツなどからなる樹林帯に入る。
 

 稚樹の群れ

森の中でちょくちょく見られる,樹齢数年の若木の群れ。稚樹バンク,という。昼なお暗い巨木の
森,光を受けて生長を続けられるのはわずか。傍らの木が枯れて倒れると,運のいいヤツがその隙
間を埋めるように生長する。こうして森が更新されてゆく。
 

コバノイチヤクソウ (小葉ノ一薬草) Pyrola alpina
  イチヤクソウ科イチヤクソウ属

亜高山帯の針葉樹林内に生える多年草。高さ10〜15cmに花茎を伸ばす。葉は4〜8枚つき,
広楕円形で長さ1.5〜3cm,幅1.5〜2.5cm。縁にはこまかい鋸歯がある。花茎に3〜
7個の径1cmあまりの白い花をつける。
 

  サルオガセ

カラマツの枝には,地衣類のサルオガセが絡まる。樹皮や岩肌に着生せずに,空気から直接水分を
受ける。雨や霧のかかることの多い,湿った森で見られる。深山の雰囲気をかもしだす。
 

ベニバナイチヤクソウ (紅花一薬草) Pyrola incarnata
   イチヤクソウ科イチヤクソウ属

深山のカラマツ林の中などに群生する多年草。葉は円形または円状楕円形で,根元に2〜5枚集ま
ってつく。花茎は高さ15〜20cmに立ち上がり,濃い桃色の径1cmくらいの花を多数つける。
薬草として用いられる同属の植物,イチヤクソウ(一薬草)の紅花種。
 

 双子池(雌池)

樹林帯が切れたところにひょい,と現れる。さしわたし150mほどの小さな池だが,見通しの利
かない暗い森から出てくると,やけに広々と明るく感じる。北側にはキャンプ場もある。以下,日
差しまぶしい池のほとりにて。
 

オヤマリンドウ (御山竜胆) Gentiana makinoi
  リンドウ科リンドウ属

亜高山帯〜高山帯の草地に生える多年草。高さ20〜60cm。葉は対生して広被針形または狭卵
形,長さ2.5〜7cm,幅0.5〜2.5cm。縁はなめらか。直立した茎の先端とすぐ下の葉
の脇に数個の花をつける。花冠は濃い紫色で長さ2〜3cm,平開しない。
 

クガイソウ (九蓋草) Veronicastrum sibiricum
  ゴマノハグサ科クガイソウ属

山地の開けた草原や斜面に生える多年草。高さ100〜120cmほど。長楕円状で両端が尖る披
針形の葉が4〜8枚輪生する。夏から秋,茎の先に長い穂のような花序を出して,淡紫〜青紫色の
小さな花を多数つける。和名は九階草または九蓋草で,輪生した葉が何段にも重なる様子をたとえ
たもの,という。
 

  双子池(雄池)

こちらは双子池ヒュッテをはさんで東側の雄池。飲料水として利用されている。何年か前に来たと
きはもっと水量が少なく,池には小さなサンショウウオがたくさん棲んでいた。
 

カラマツ (落葉松) Larix kaempferi
 マツ科カラマツ属

亜高山帯の日当たりのよい岩礫地に生える落葉高木。高さは30mほどになる。葉は線形で扁平,
長さ1〜3cm。若い長枝にはらせん状に,古い枝先には束状につく。

白樺湖周辺でみるカラマツ林はほとんど植林された人工林であるが,ここは純然たる天然林。胴回
り数メートルの天然カラマツ(略して天カラ)の巨木が林立する。
 

ムシトリナデシコ (虫取撫子) Silene armeria
  ナデシコ科マンテマ属

ヨーロッパ原産の1〜越年草。観賞用に栽培されたものが野生化したもの,という。茎は直立して
高さ30〜50cm。葉は対生して楕円形,先はとがり,基部は茎を抱く。枝の節の下に粘液を出
すところがあり,これで虫を取ると考えられた。

あたりにはクローバーも生えていて,おそらく道路工事の時にでも砕石とともに運ばれてきたもの
と思われる。欧州原産といえば,ヨーロッパアルプスの牧場や道端でよく見られるピンク色の花,
シレネ・ディオイカ Silene dioica によく似ている。
 

   原生林

あたりはカラマツの巨木にサルオガセがからまる原生林。凄みすら感じさせる。こんなところで行
き暮れたら,ちょっとコワイかも。
双子池ヒュッテの裏からは林道てくてく大河原峠へ,そして自転車を引出して一気に下山だ。

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