八島湿原・霧ヶ峰 その2

長野県諏訪市,諏訪郡下諏訪町; 2000年8月12日撮影


八島ヶ原高層湿原(通称八島湿原)は,数千年の時を経て形成された湿原。枯れた湿原植物が腐敗
せずに堆積し,厚い泥炭層を作っています。植物の種類が豊富で,霧ヶ峰湿原植物群落として国の
天然記念物に指定されています。八島ヶ池,鎌ヶ池を含む湿原地帯の周囲には約2kmにわたって
遊歩道が整備されています。遊歩道以外の湿原地への立ち入りを厳禁して保護していますが,乾燥
化により草原に移行しつつあると言われています。

→2部構成になっています。前編(その1)へはこちらから
 

  八島ヶ池。

大小の浮島が,七島八島...
 

ハクサンフウロ (白山風露)  Geranium yesoense var. nipponicum
   フウロソウ科フウロソウ属

高原や高山の草地に生える多年草。高さは30〜80cm。葉は幅が5〜6cmで,てのひら状に
大きく5〜7裂,それぞれの裂片はさらに細かく分裂し,両面にあらい毛がある。紅紫色の花は径
2.5〜3cm。花弁の基部に白い軟毛がある。
 

タチフウロ (立風露) Geranium krameri
 フウロソウ科フウロソウ属

山野の日当りのよい草地に生える多年草。高さ約50cm。葉は直径約10cm,てのひら状に5
〜7裂し,裂片はさらに3つに裂けてまばらに毛がはえる。夏,淡紅色で濃いすじのある径3cm
ほどの花を茎の先に咲かせる。
 

アサマフウロ (浅間風露) Geranium soboliferum
   フウロソウ科フウロソウ属

高原の湿り気のある草地に生える多年草。高さ40〜80cm。茎と葉柄に下向きの毛がある。葉
は直径5〜8cmで5つに深裂し,全面に毛が生える。花は径3〜4cmと大きく,濃紅紫色で濃
い色のすじがある。名前は浅間山にちなみ,北佐久,諏訪地方に分布する。

こうして並べられれば分かるが,実際に山の中で咲いているフウロソウを見分けるのは難しい...
 

ワレモコウ (吾亦紅) Sanguisorba officinalis
 バラ科ワレモコウ属

日当りのよい山野に生える多年草。高さ70〜100cm程度。枝先に長さ1.5〜2cmほどの
暗紅紫色の花穂をつける。個々の花は小さく,花弁はない。上から下へ咲き進む。
 

カワラナデシコ (河原撫子) Dianthus superbus var. longicalycinus  別名 ナデシコ
  ナデシコ科ナデシコ属

霧ヶ峰エリア,特にこの八島湿原付近では多くみられる。草原に生える多年草で,秋の七草。
 

クガイソウ (九蓋草) Veronicastrum sibiricum
 ゴマノハグサ科クガイソウ属

山地の開けた草原や斜面に生える多年草。高さ100〜120cmほど。長楕円状で両端が尖る披
針形の葉が4〜8枚輪生する。夏から秋,茎の先に長い穂のような花序を出して,淡紫〜青紫色の
小さな花を多数つける。和名は九階草または九蓋草で,輪生した葉が何段にも重なる様子をたとえ
たもの,という。紫色の動物の尻尾にみえるが,トラノオは別の植物である。
 

アカバナシモツケ (赤花下野) Filipendula multijuga var.ciliata
   バラ科シモツケソウ属

山地の乾いた草原にはえる多年草。シモツケソウの変種である。
長野県の諏訪,小県,北佐久地方に分布。茎は高さ30〜80cmになり,先に径約5mmの小さ
な花を散房花序に密集して咲かせる。萼,花弁は4〜5個。
栃木県の県花。
 

シラヤマギク (白山菊) Aster scaber
  キク科シオン属

山地の林縁や草地などに生える多年草。高さ1m程度。茎や葉にはざらざらした毛がある。茎の先
が枝分かれして先端に径2cmほどの頭花をつける。頭花は縁辺部の舌状花と中心の筒状花からな
り,花弁状の舌状花は白で少数,筒状花は黄色で多数。春の若芽は食用になる。
 

コオニユリ (小鬼百合) Lilium leichtlinii var. tigrinum
 ユリ科ユリ属

日当りのよい山地の草原に生える多年草。高さ1〜2m。この株も高さは2m近く,花つきもゴー
ジャス。
 

ホソバノヤマハハコ (山母子) Anaphalis margaritacea var. angustolia
 キク科ヤマハハコ属

長野県以西の西日本のやや高い山地に生える多年草。葉の幅がヤマハハコに比べてやや細く,表面
に薄く綿毛が残って白っぽく見える。茎は高さ30cmほど。茎の先端に,白い頭花を密集してつ
ける。白いのは総苞片で中心に淡黄色の小花を咲かせる。
 

マツムシソウ (松虫草) Scabiosa japonica
  

 マツムシソウ科マツムシソウ属

山地,高原の草地に生える越年草。高さ30〜70cm。茎はまばらに枝分かれして,先端に径4
cmほどの淡い紫色の花を咲かせる。頭花は多数の小花からなるが,周辺の小花の外側の列片が大
きく発達して花びらのようになり,頭花全体が一個の花に見える。名前の由来については,マツム
シ(今で言うスズムシのこと)が鳴きはじめるころ咲く花という説が有力だが,ほかにもいろいろ
ある。
 

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