八島湿原 その1

長野県諏訪市,諏訪郡下諏訪町; 2001年7月19日撮影


ビーナスライン,沢渡(さわたり)付近に自転車を止め,公衆トイレの脇から林の中を少し歩くと
御射山ヒュッテ前にでます。古来このあたりの草原で諏訪大社の神事が執り行なわれ,人工的に造
成されたそばの土手の段々は集まった武士や豪族たちの観覧席ともキャンプ指定地ともいわれてい
ます。ここでシカ狩りなどが行われたようですが,流鏑馬などの競技があったかどうかは定かでは
ないとのこと。鹿は今でもこのあたりでよく見かけます。

御射山ヒュッテで,その旧御射山(もとみさやま)遺跡と諏訪大社神事について紹介した冊子が販
売されています。
 

旧御射山(もとみさやま)〜八島湿原 7月19日撮影

ノハナショウブ (野花菖蒲) Iris ensata var. spontanea
  アヤメ科アヤメ属

山野の草原や湿原に生える多年草。高さ50cmほどの花茎の先に,赤紫色で10〜15cmくら
いの花を開く。園芸種ハナショウブの原種。
 

カラマツソウ (唐松草) Thalictrum aquilegifolium
  キンポウゲ科カラマツソウ属

山地の林の縁や高原などに生える多年草。高さ50cm〜1mくらい。茎の上部に散房状の花序を
つけ,白色または淡紅色の花を多数つける。花弁はなく,雄しべが輪状に多数あつまり径約1cm。
花の様子がカラマツの葉を思わせることから,唐松草。
 

シシウド (猪独活) Angelica pubescens
 セリ科シシウド属

山地の斜面ややや湿った日当りのよいところに生える多年草。高さ1〜1.5mほど。茎の先に,
花火のような大型の複散形花序をつける。和名の猪独活は大型でイノシシが喰うウドの意だが,ウ
ド(ウコギ科タラノキ属)と違って食用にはならない。
 

シモツケソウ (下野草) Filipendula multijuga
  バラ科シモツケソウ属

山地の日当りのよい乾いた草地に生える多年草。高さ30cmから1m弱で群落を作ることが多い。
花は4〜5mmで散房状に多数つき,淡紅色。八島ヶ池の周りでは,花の赤味の強い変種アカバナ
シモツケが見られる。
 

 旧御射山遺跡

今も段々が残る山肌。ビーナスライン建設による破壊をかろうじて免れた。ビーナスラインはここ
を大きく迂回して霧ヶ峰・車山方面へ伸びている。この辺のいきさつは,新田次郎著「霧の子孫た
ち」に詳しい。
 

ゼンテイカ (禅庭花) Hemerocallis middendorffii var. esculenta  別名 ニッコウキスゲ(日光黄菅)
  ユリ科ワスレグサ属

山地や高山の草原などに群生する高さ50〜80cmの多年草。花茎の先は枝分かれして数個の濃
い橙黄色の花をつける。花は下から順に咲く。花は径7〜8cmの漏斗状の大輪で,花びら状の花
被片は6個,上部が少し反り返る。
 

カワラナデシコ (河原撫子) Dianthus superbus var. longicalycinus  別名 ナデシコ
  ナデシコ科ナデシコ属

山野の日当りのよい草原などに生える多年草。高さ30cm〜1m弱くらい。茎の上部が枝分かれ
して,淡紅紫色の花をひらく。萼は細長い円筒形で先端は5つに裂けている。花弁は5枚あり,先
が深く裂け,基部には毛がある。秋の七草。
 

コバギボウシ (小葉擬宝珠) Hosta albo-marginata
  ユリ科ギボウシ属

日当りのよい湿地に生える多年草。葉は斜めに出て長さ10〜20cm,幅5〜10cmで楕円形
か卵形。高さ30〜40cmの花茎をだし,ラッパ形で長さ4〜5cm,紫の濃淡を持つ花を横向
きないしやや下向きに咲かせる。若芽は山菜として珍重される。おひたしにするとやや「ぬめり」
があって,マヨネーズ醤油が佳。
 

ヤマオダマキ (山苧環) Aquilegia buergeriana
  キンポウゲ科オダマキ属

深山の林の縁や道端に生える多年草。高さは30〜50cm以上。茎は上部でまばらに枝分かれし,
先に径3〜3.5cmの花を下向きにつける。花弁は5個で先はクリーム色,基部はわずかに外側
に反って距(角状の部分)になる。覆いのように見える萼はとがった卵形で,紫褐色または淡黄色
で5個ある。萼が淡黄色のもの(写真の株)は,キバナノヤマオダマキと呼ばれる。
和名は,麻糸を巻いた昔の道具(苧環)に花の形が似ていることに由来する。
 

チダケサシ (血茸刺) Astilbe microphylla
   ユキノシタ科チダケサシ属

やや湿った山野に生える多年草。高さ40〜80cm。花茎の先に淡紅色か白色の小さな花を多数
つける。信州方面で,チダケという食用のキノコをこの茎に刺して持ち帰ることから,チダケサシ。
 

ツリガネニンジン (吊鐘人参) Adenophora triphylla var. japonica
   キキョウ科ツリガネニンジン属

高原の草地などに生える多年草。茎は高さ1m近くになり,夏から秋にかけて枝先に円錐花序をつ
け,茎を中心に環のように青紫色の花を下向きに咲かせる。花は長さ2cmほど,釣鐘型で先は5
裂して反り返る。若芽は食用に,根は薬用にされる。
 

コウリンカ (紅輪花) Senecio flammeus var. glabrifolius
 キク科キオン属

高原の草地などに生える多年草。茎は直立して高さ50cmほど,先端に散房状に数個の花をつけ
る。花は径3〜4cmほど。濃いオレンジ色の長い舌状花(花びらに見える部分)が輪になってつ
くところから,紅輪花。
 

イブキトラノオ (伊吹虎之尾) Polygonum bistorta
 タデ科タデ属

山地や高原の日当りのよい草地に生える多年草。高さは50cm〜1m以上になる。茎の先に長さ
3〜8cmくらいの細長い花穂をつける。花は萼が淡紅色か白色で3〜4mm,花弁はない。
和名は滋賀県の伊吹山に多いことに由来するが,ヨーロッパアルプスにも同じ種が生えている。
 

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