八島湿原 その2

長野県諏訪郡下諏訪町; 2001年7月19日撮影


御射山から良く整備された遊歩道(木道)を八島湿原へ。地図の「八島ヶ原高層湿原」が正式名称
のようです。このあたりの植生は天然記念物・霧ヶ峰湿原植物群落として厳重に保護されています。
木道から外れて湿地帯に立ち入ることのないように。
 

旧御射山〜八島湿原 7月19日撮影

  八島ヶ原

八島湿原は霧ヶ峰高原の北部,標高1600m付近に広がる湿原地帯である。高所のため,枯れた
植物が分解されることなく堆積し,年数ミリというペースで数千年かけて形成されたという。現在
は乾燥化により草原に移行しつつあるらしい。踏み固められると水が抜けて乾燥化に拍車がかかる
ことから,遊歩道以外は立ち入り禁止となっている。

右写真正面の山は鷲ヶ峰,標高1798m。
 

ヨツバヒヨドリ (四葉鵯) Eupatorium chinense var. sachalinense
  キク科フジバカマ属

やや高い山地の草原などに生える高さ1mほどの多年草。あまり枝分かれせず,数本が株立ちする。
葉は3〜5枚が輪生し長さ10cmほど,細長い楕円形で先がとがる。花は白から淡紅紫色。
ヒヨドリが鳴く頃花が咲き始めることから,ヒヨドリバナの名がついたといわれる。
 

ホソバノキリンソウ (細葉黄輪草) Sedum aizoon
  ベンケイソウ科キリンソウ属

山地の岩石地など日当りのよい場所に生える多年草で,高さ20〜40cm。葉は狭い楕円形で長
さ4〜6cm,肉質で中部から先端にかけて多数の鋸歯があり,先がややとがる。花は黄色。
 

ダイコンソウ (大根草) Geum japonicum
  バラ科ダイコンソウ属

山地や丘陵地の林のふちに多い高さ30〜60cmの多年草。根元から生える葉(根生葉)がダイ
コンの葉に似ていることからダイコンソウの名がある。茎と葉にはあらく毛がある。径1〜2cm
で黄色い花を,まばらに分岐した枝先に1個づつつける。雄しべ多数。
 

ヤナギラン (柳蘭) Epilobium angustifolium
  アカバナ科アカバナ属

日当りのよい草地に生える多年草。茎は直立し1〜1.5m,葉は先の尖った長楕円形で多数互生
して長さは10〜15cm。茎の先端に長さ10〜50cmくらいの花序を総状につけ,紅紫色の
花が下から咲きあがる。花は4弁で径2〜3cm。和名は,葉の形が柳の葉に似ていてランのよう
な花を咲かせることによる。
八島ヶ原に向かう木道にて。数箇所に小規模な群落あり。
 

ノアザミ (野薊) Cirsium japonicum
  キク科アザミ属

各地の山野に普通にみられる多年草。高さ50cm〜1m,上部で枝分かれして全体に白毛がある。
葉は互生して羽状に深く裂けて先端は刺となる。花は径4〜5cmで紅紫色,枝の先端に直立上向
きにつく。低地では春咲きのアザミであるが,この辺では夏に咲く。
 

ウツボグサ (靫草) Prunella vulgaris var. lilacina
  シソ科ウツボグサ属

日当りのよい草地に生える多年草。高さ10〜30cm。葉は対生し,長卵形で長さ3〜5cm。
茎や葉にあらい毛がある。茎の先に長さ3〜8cmの花穂を出し,紫色の唇形の花を密集してつけ
る。和名のウツボグサは,海底に棲む魚のウツボ...ではなく,花穂の様子が弓矢を入れるうつ
ぼ(靫)に似ていることによる。
 

キンバイソウ (金梅草) Trollius hondoensis
   キンポウゲ科キンバイソウ属

深山の草地や林のふちなどに生える多年草。高さ40〜80cmになる。茎の上部で枝分かれして,
先端に径3〜4cmほどの黄色い花をつける。花弁に見えるのは萼片で長さ2〜2.5cmの卵形,
5〜7個が平開する。花弁は線形で長さ2cmほど。雄しべは多数あり,花弁よりも短い。
花の色が鮮やかな黄色で梅の花に似ているところから金梅草。
 

カワラマツバ (河原松葉) Galium verum var. asiaticum form. nikkoense
  アカネ科ヤエムグラ属

土手や道端などの日のあたる草地に生える多年草。高さ30〜50cm。葉は線形で8〜10枚輪
生する。茎の上部の葉のわきから枝を出して小さな白い花を多数つける。花冠は径5mmほどで4
裂する。河原などに生え,葉が松葉のように細いことからカワラマツバの名がある。
 

ナツドウダイ (夏燈台) Euphorbia sieboldiana
 トウダイグサ科トウダイグサ属

山地や丘陵地に生える高さ30〜40cmの多年草。葉は互生するが,茎の先で輪生する長卵形の
5枚の葉のわきから枝を出し,杯状の花序をつける。油を置いた昔の燈台の台に似ていることから
燈台草。
 

ゼンテイカ (禅庭花) Hemerocallis middendorffii var. esculenta  別名 ニッコウキスゲ(日光黄菅)
   ユリ科ワスレグサ属

山地や高山の草原などに群生し,濃い黄色の花をつけるゼンテイカ。
別名は日光に多いことにちなんでニッコウキスゲ,こちらのほうが通りがよい。ひとしきり,にわ
か雨。
 

 八島ヶ池

池塘に浮島が七島・八島。広大な八島ヶ原も,水面が見えるのはこことこの奥の鎌ヶ池付近。あと
は広大な草原に見える。手前の青紫色の花はノハナショウブ。
 

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