乗鞍高原・春 その1

長野県南安曇郡安曇村乗鞍高原; 2001年5月30日,6月2日,3日撮影


5月30日。そぼ降る雨の中,乗鞍高原入り。ゴールデンウィークに引き続き,この春二度目の乗
鞍高原です。あれからひと月,残雪も消えてあたりはすっかり緑濃く,山野草の花も種類豊富に咲
きそろいました。
 

乗鞍高原・一ノ瀬園地 5月30日撮影

スモモ (李)
  

一ノ瀬園地あちこちに自生しているが,純粋な野生のものではないそうだ。その昔,耕作や放牧に
来ていた集落の人が落としていったタネがもとらしい。このあたりは高所のため通年定住しての農
耕はなされず,人々は夏季のみ番所や鈴蘭地区に建てた出作り小屋に住み,拠点としていた。(現
在は多くの定住者が,主に観光業などに従事。)
 

 一ノ瀬牧場付近

スモモの花。いきさつはどうあれ,今となっては乗鞍高原の春の風物詩。
もうひとつの風物詩,レンゲツツジの大群落。残念ながら,まだツボミ。見頃はまだ1週間くらい
先か。
 


乗鞍高原・鈴蘭地区 6月2日撮影

 乗鞍高原風景

この辺り,耕作可能な農地としては最高所の部類だそう。夏季の気候のよい期間は短いため,生育
の早いソバなどが昔からの主要な作物であった。
 

エゾノタチツボスミレ (蝦夷立壷菫) Viola acuminata
   スミレ科スミレ属

山地に生える多年草。30cmくらいの高さに繁るスミレ。茎の上部につく葉は先のとがった心形
で3〜4cm,葉のわきから10cmほどの花柄をだして先端に1.5〜2cmの白または淡紫色
の花をつける。和名は北海道に多いことによる。
 

コンロンソウ Cardamine leucantha
  アブラナ科タネツケバナ属

山地または谷川沿いの半日陰の湿地に生える多年草。高さは20〜70cmになる。茎の先に毛の
ある総状花序をだし,白い十字状の花を多数開く。
 

クサノオウ (草の黄) Chelidonium majus var. asiaticum
   ケシ科クサノオウ属

山麓や平地の道端,草地,石垣に生える2年草。茎は直立し30〜80cm,中空で傷をつけると
黄色い汁が出る。枝の先に黄色い径2〜3cmの4弁花をつける。有毒植物だが,薬用にもされる。
 

シロバナエンレイソウ (白花延齢草) Trillium tschonoskii  別名 ミヤマエンレイソウ
   

 ユリ科エンレイソウ属

山地のやや湿り気のある林内に生える多年草。学名の Tri- は「3」を意味するが,徹底して3に
こだわる植物でもある。高さは20〜40cm,葉は3枚輪生し広卵形で長さ・幅ともに20cm
近い。茎の先端から花柄を出し,外花被片3枚は緑色,内花被片3枚は白の花びら状で長さ2〜3
cm。三株写っているところまで徹底している。
 

キンポウゲ (金鳳花) Ranunculus japonicus  別名 ウマノアシガタ
  キンポウゲ科キンポウゲ属

日当りのよい山地や野原の土手,草地に生える多年草。群落を作ると,その黄色い花が遠くからで
も良く目立つ。高さ30から70cmで分枝し,花柄の先端に径2〜2.5cmほどの黄色い花を
一つつける。花弁は5枚だが重弁のものもあり,かつてはこちらをキンポウゲ,普通の5弁花をウ
マノアシガタと呼んだ。ウマノアシガタの名は根生葉の形からきたらしいが,あまり似ていない。
 


乗鞍高原・三本滝付近 6月3日撮影

ショウジョウバカマ (猩々袴) Heloniopsis orientaris
   

  ユリ科ショウジョウバカマ属

山地のやや湿ったところや渓流沿いに生える多年草。雪解け直後の道路のノリ面で撮影した。
淡紅色から濃紅色の鮮やかな花を咲かせる。葉(根生葉)は多数つき,倒披針形で長さは7〜20
cm,幅1.5〜4cm,冬も枯れずにのこるという。和名は花を能楽の面の猩々の赤い顔,葉を
袴に見立てたもの。
 

ヒメイチゲ (姫一花) Anemone debilis
  キンポウゲ科イチリンソウ属

深山の針葉樹林内や高山のハイマツの陰などに生える多年草。高さは10cmほど,茎葉は3枚輪
生し3全裂。花は純白色で径1cmほど,花びら状の萼片を5枚持ち,花弁はない。
 


→エリア別山の花写真集・インデックスへ