乗鞍高原・早春 その3

長野県南安曇郡安曇村乗鞍高原; 2002年5月6日撮影


今日はいい天気。陽気に誘われひとめぐり,牛留池まで。明るい日差しがふりそそぐバス通り,道
端にはタンポポやスミレ,春咲きリンドウも咲き競っていました。
 

5月6日撮影

  鈴蘭橋より

国民休暇村のすこし下,鈴蘭橋より乗鞍岳。乗鞍高原きってのビューポイント。
 

 牛留池

一昨日のツアーは,雨の中。薄暗い森の中の,ひっそりとした池だったはずが...今日はがらり
と印象を変えて。
 

  森の中で

苔むした倒木に,木漏れ日が落ちる。マクロ(接写)で迫ると,そこにはコケの森。
 


森を出て,国民休暇村前からバスも走る県道乗鞍岳線を鈴蘭へ。5月の日差しがまぶしい。
 

キジムシロ (雉蓙) Potentilla fragarioides var. major
  バラ科キジムシロ属

山野に生える多年草。全体にあらい毛がある。根出葉は奇数羽状複葉で,小葉は5〜9枚。上部の
ものほど大きく,長さ1〜3cm。高さ5〜15cmくらいの花茎を出し,径1.5〜2cmほど
の黄色い5弁の花を咲かせる。株が同心円状に広がるところから,雉が座るムシロ(蓙)にたとえ
た。
 

ヤナギの仲間 Salix sp.
 ヤナギ科ヤナギ属

乗鞍高原一帯には,ヤナギの類も多種分布している。ちょっと見分けるのはムズカシイ...
 

シラカンバ (白樺) Betula platyphylla var. japonica
 カバノキ科カバノキ属

シラカバが花をつけていた。
山地の夏緑林から亜高山帯にかけて生える落葉高木。樹皮は白く,紙状にはげる。春,新葉の開く
頃に枝先から太く長い雄花序を垂らす。

「カバノキ属」が,誤って「かばの貴族」と変換された。ちょっと笑った。
 

フキ (蕗) Petasites japonicus
  キク科フキ属

道路際に顔を出したフキノトウ。フキノトウはフキの若い花茎で,食用のほか薬用としても利用さ
れる。

山地の道端や日当りのよい土手などに生える,雌雄異株の多年草。春に地下茎の先から花茎を出す。
花茎の先に散房状に,雄株は黄白色,雌株は白色の花を咲かせる。雌株は花の後も伸びて,高さは
45cmほどになる。葉は花の後に出て長い葉柄を持ち,幅15〜30cmほどの大きな丸い葉を
つける。この葉柄も食用として用いられる。フキは各地で栽培もされる。
 

タケシマラン Streptopus streptopoides var. japonicus
 ユリ科タケシマラン属

深山の針葉樹林内に生える多年草。高さ20〜50cm。葉は細い卵形で長さ4〜10cmほど,
縦に入った脈が目立つ。葉の脇に,径5mmほどの淡紅色の小さな花をつける。
 

エンレイソウ (延齢草) Trillium samallii
   ユリ科エンレイソウ属

山地のやや湿った林内に生える多年草。高さ20〜40cm。茎の先に幅7〜15cmほどの広卵
形で3〜5本の脈が目立つ葉を3枚輪生させる。春,茎の先から花柄をだし,やや横向きに1個の
花を咲かせる。外花被片は緑色ないし褐紫色で卵状楕円形,長さ1〜2cmほど。花弁はなく,雄
しべ6個。
 

ヤマエンゴサク (山延胡索) Corydalis lineariloba  別名 ヤブエンゴサク
  

  ケシ科キケマン属

山地の林下に生える多年草。高さ10〜20cmで,茎の先端に青紫色または紅紫色の花を総状に
つける。花は長さ1.5〜2.5cmくらいで筒状,先端は唇状に開き,後部は角状の距となる。
葉の形には変化が多い。

鈴蘭地区,スキー場前バス停から観光センター前にかけてのバス通りの際,林の中に群生していた。
 

フデリンドウ (筆竜胆) Gentiana zollingeri
  

  リンドウ科リンドウ属

ヨーロッパアルプスのスプリング・エンツィアンを思わせる,春咲きのリンドウ。バス通りの道端
にさりげなく咲いているところも,ヨーロッパアルプス的。

日当りのよい山地や野原に生える2年草。高さ5〜10cm。茎葉は広卵形で長さ5〜15mmほ
ど,質がやや厚く全縁,裏面は赤紫色を帯びることがある。茎の先に青紫色の花を数個咲かせる。
花冠は長さ2〜2.5cmほど,先端は普通5裂し日が当たると平開する。閉じている花冠が筆の
穂先に似ているところから,筆竜胆。
 

ツボスミレ (坪菫) Viola verecunda  別名 ニョイスミレ
  スミレ科スミレ属

山野の湿ったところに生える多年草。高さ10〜15cmほど。葉は根生または茎につき,長さ2
〜3cmの心形で裏面は紫色を帯びる。花は白く径1cmほど,唇弁には紫色のスジがある。
和名の「坪(ツボ)」は庭を意味し,別名の「如意(ニョイ)」は僧の持つ仏具で葉が似ているこ
とに由来する。
 

セイヨウタンポポ (西洋蒲公英) Traxacum officinale
  キク科タンポポ属

ヨーロッパ原産の帰化植物で,道端,荒地,耕地,牧草地などいたるところに生える多年草。
葉は根元を取り囲むように束状(ロゼット状)につき,形は羽状深裂から深い鋸歯つきまで変化が
ある。高さ5〜40cmほどの花茎を何本かだして,先端に1つずつ,径4〜5cmで黄色い舌状
花からなる頭花をつける。総苞の外片(花の首のところのヘタのような部分)が反り返っているの
が特徴。日本在来種のタンポポと見分ける際のポイント。

よく日本在来種のタンポポが減り,かわりにこのセイヨウタンポポがはびこってきた,などと言わ
れているが,実は両者の雑種も増えてきているらしい。セイヨウタンポポのいいとこ取りで生き残
ろうという在来タンポポ。やられっぱなしと思いきや,したたかというか何というか。
 


乗鞍高原温泉ユースホステル(乗鞍ファミリーロッヂ)の中庭にて。
 

ワサビ (山葵) Wasabia japonica
  アブラナ科ワサビ属

深山の渓流沿いなどに生える多年草。高さ30〜40cm。根生葉は長い柄を持ち,心形で幅6〜
12cm。質は薄く無毛でつやがあり,縁に波状に鋸歯がある。茎葉は互生して長さ2〜4cm,
基部は心形。茎の先に花序を出し,総状に白い小さな花を咲かせる。花弁は4個,長さ5〜8mm,
萼片は緑色で長さ4mmほど。

小石だらけの流れの中に転がしておくだけでよいらしいが,綺麗な水でないと育たない。根が大き
くなったら,すりおろして本わさび。しかし,使えるようにようになるまで何年かかるか...
 

オオバキスミレ (大葉黄菫) Viola brevistipulata
   スミレ科スミレ属

雪の多い,湿った林下などに生える多年草。高さ15〜30cmほど。根生葉は少数で,長さ4〜
10cmほど,長柄があり先端は尖って基部は心形,縁に鋸歯をもつ。茎葉は上部に3〜4枚つき,
長さ幅とも5〜10cm程度,先は尖り基部は心形,縁に鋸歯をもち葉脈が目立つ。シソの葉(青
ジソ:大葉)のよう。葉の脇から1〜3個,長さ5cmほどの花柄を出し先端に径1.5〜2cm
ほどの花を咲かせる。花弁は黄色で,唇弁と側弁に紫色のスジがある。

北海道から近畿地方まで,主に日本海側の多雪地に生える,日本特産種。
 

オオヤマザクラ (大山桜) Prunus sargentii
  

 バラ科サクラ属

山地に生える落葉高木で,ヤマザクラよりも高所に見られる。高さは20m以上になり,四方に枝
を張る。樹皮は光沢のある紫褐色。葉は互生し,長楕円形で長さ8〜15cmくらい,縁に鋸歯を
持つ。若芽は紫褐色。5月頃,新葉と同時に淡紅色で径3〜4cmとやや大きめの花を数個ずつの
束状につける。

到着した3日はまだ五分咲き,といったところだったが,ここ1〜2日の陽気ですっかり満開とな
った。


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