乗鞍高原・早春 その4

長野県南安曇郡安曇村乗鞍高原; 2002年5月8,9,10,11日撮影


連休は好天続きで,草も木も一気に花開きました。白いスモモの花も満開。乗鞍高原一帯が甘い香
りに包まれます。
 

5月8日撮影

リュウキンカ (立金花) Caltha palustris
  

 キンポウゲ科リュウキンカ属

湿地や沼地に生える多年草で,雪解け直後から咲き始める。茎は直立して花の時期は高さ30cm
ほど。基部のへこんだ,柄のある丸い葉を繁らせる。根生葉は長さ3〜10cm,縁には鈍い鋸歯
がある。花は径約2cm。花びらはなく,5〜7個の黄色い花弁状の萼片がある。

立ち上がって咲く金色の花,というところから立金花。葉や茎は山菜として食用にもされる。雨あ
がりの朝,乗鞍ファミリーロッヂの中庭にて。
 


5月9日撮影

エンレイソウ (延齢草) Trillium samallii
   ユリ科エンレイソウ属

山地のやや湿った林内に生える多年草。高さ20〜40cm。茎の先に幅7〜15cmほどの広卵
形で3〜5本の脈が目立つ葉を3枚輪生させる。春,茎の先から花柄をだし,やや横向きに1個の
花を咲かせる。外花被片は緑色ないし褐紫色で卵状楕円形,長さ1〜2cmほど。花弁はなく,雄
しべ6個。
 

オオヤマザクラ (大山桜) Prunus sargentii
   バラ科サクラ属

山地に生える落葉高木で,ヤマザクラよりも高所に見られる。高さは20m以上になり,四方に枝
を張る。樹皮は光沢のある紫褐色。葉は互生し,長楕円形で長さ8〜15cmくらい,縁に鋸歯を
持つ。若芽は紫褐色。5月頃,新葉と同時に淡紅色で径3〜4cmとやや大きめの花を数個ずつの
束状につける。

花の命は短い。早くも散り始めた...
 

スモモ (李) Prunus sp.
   バラ科サクラ属

乗鞍高原鈴蘭地区一帯あちこちに自生しているが,純粋な野生のものではないそうだ。白骨温泉へ
向かうスーパー林道の付近にあった銀鉱山(武田信玄の時代)の労働者や,耕作や放牧に来ていた
集落の人が落としていったタネがもとらしい。

 スモモの花

高原一帯に立ち込める甘い香りの正体は,これ。
 

 おなじみソバ畑

満開のスモモの木をバックに。灰を鋤きこみ,今年の農作業も始まった。
 

ニリンソウ (二輪草) Anemone flaccida
   

   キンポウゲ科イチリンソウ属

山野の草地や林内にはえる多年草。高さ15〜30cmくらい。茎葉は柄がなく3枚輪生し,間か
ら普通2本の柄を出して先端に径1.5〜2.5cmの白い花をつける。白い花びらに見えるのは
萼片で,5個から6〜7個ある。和名のニリンソウは一株が2個の花をつけることによるが,1個
ないし3個のこともある。

見晴通り,通称(?)ユース坂からバス通りの鈴蘭小屋付近へ出る道端,林の縁にて。おそらく近
所の方の持ち土地なので,不必要に踏み込んで荒らしたりゴミを捨てたりすることのないよう。
 


帰ろうとすると何故か雨が降る。まあ,松本まで下り一方だし,強行突破しても良かったのだが,
宿の人の「危ないからやめときな」のひと言に甘えることにする。「もういいトシなんだから」

...えっ,なんか言いました?
 

5月10日,11日撮影

シロバナエンレイソウ (白花延齢草) Trillium tschonoskii  別名 ミヤマエンレイソウ
   ユリ科エンレイソウ属

山地のやや湿り気のある林内に生える多年草。学名の Tri- は「3」を意味するが,徹底して3に
こだわる植物でもある。高さは20〜40cm,葉は3枚輪生し広卵形で長さ・幅ともに20cm
近い。茎の先端から花柄を出し,外花被片3枚は緑色,内花被片3枚は白の花びら状で長さ2〜3
cm。
 

コゴミ
  

山菜として利用される,シダ植物のコゴミ。青々として,いかにも美味そう。アク抜きは不要,お
ひたしや味噌汁の具,天ぷらなどにする。
 

シラネアオイ (白根葵) Glaucidium palmatum
 キンポウゲ科シラネアオイ属

建物脇の花壇にて,植えられたものらしい。

雪の多い深山に生える多年草。高さ20〜40cmくらい。茎葉には柄があり,茎の上部に互生し
てつく。葉は長さ幅とも20cmほど,てのひら状に7〜11裂する。花は径7cmほど。花びら
のように見えるのは萼片で,淡紅紫色で4個あり花弁はない。和名は日光の白根山に多く,花がタ
チアオイに似ていることによる。1属1種の日本特産種。
 

イチリンソウの仲間 Anemone sp.
  キンポウゲ科イチリンソウ属

建物脇の花壇にて。高さ20cmほど。出発までに花開いて欲しかったのだが。
葉の様子はヒメイチゲに似ているが,ヒメイチゲはこんなに大きくはないので...種名不詳。
 

ヤマエンゴサク (山延胡索) Corydalis lineariloba  別名 ヤブエンゴサク
  ケシ科キケマン属

山地の林下に生える多年草。高さ10〜20cmで,茎の先端に青紫色または紅紫色の花を総状に
つける。花は長さ1.5〜2.5cmくらいで筒状,先端は唇状に開き,後部は角状の距となる。
葉の形には変化が多い。
 

ウド (独活) Aralia cordata
  ウコギ科タラノキ属

山地に生える大型の多年草。高さ1〜1.5mになる。花以外,全体に短毛が生え,茎は太く,葉
はまばらに互生して広くて大きな2回羽状複葉となる。小葉は広卵形。春先の若芽は山菜でおなじ
み。栽培もされる。分類上「ヤマウド」という種類はなく,山野に自生する本種のことをいう。

建物脇の花壇にはコゴミやウド,ギボウシなどなど...さながら「食用植物園」といったところ。
 

イカリソウ (錨草) Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
   メギ科イカリソウ属

山地や丘陵地に生える多年草。高さ20〜40cm。葉は長卵形で縁に刺状の鋸歯があり,基部は
ゆがんだ心形で長さ5cm程度。茎の先に花序を出し,紫〜淡紫色の花を数個下向きにつける。花
には4枚の花弁に長さ約2cmの長い距があり,四方に広がり弓形に曲がる。その様子が船の錨に
似ているところから,イカリソウの名がついた。白花のものは,シロバナイカリソウ。
 

 乗鞍自然保護センター

乗鞍岳と乗鞍高原一帯の自然,歴史,民俗資料などなどを展示。勉強になります。右手に建ってい
る妙な形の建物はコウモリハウス。乗鞍高原一帯に住む,珍しいクビワコウモリの越冬用に作られ
たもの。
 

 鵬雲崎付近

白い花はニセアカシアだろうか。満開である。
 

 田植えのころ

10日は大雨。翌11日,乗鞍高原を後に,なんとか降られずに松本までたどりついた。
 


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