第15回 全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍 

 参戦レポート

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 島々宿・三本松トンネル付近にて



8月26日

ントは前夜の夜行アルプスを使う予定だったが,夜行は疲れるので朝イチのあずさ
に。ところがどっこい,八王子駅朝7時半。既に山支度のおじさんおばさんでごった
返している。案の定,スーパーあずさ1号,自転車持ち込むどころの騒ぎではない混
みよう。仕方ないので,3分後の臨時便を狙うが,これまた自転車持ち込むのがやっ
と。甲府まで立ちんぼ状態。ま,夏休み最後の週末だからな。
松本に着いたら着いたで,松本電鉄上高地線新島々行きが丁度出て行くところ。次の
を待つより走った方が速そうなので,松本駅からとっとと自走することにする。

いや〜。いるいる。自転車を積んだ車・車・くるま。行き先はもちろん乗鞍。
頭上に「8月27日,県道乗鞍岳線12時30分まで通行止め」の電光掲示。ツール
・ド・フランスのガリビエ峠へ向かう国道を,ちょっとだけ思い出した。
道の駅・風穴の里で一休み。自走で乗鞍へ向かうお兄さん,おや?乗鞍ユースに泊ま
るんですか。奇遇ですねぇ〜。トライアスリートで木曽御岳の大会に出たばかり。乗
鞍登るのは初めて,自転車はマウンテンだが,ハンドルがドロップでロードカテゴリ
で出るとか。前川渡から乗鞍高原までの 10%の壁登りが楽しみ,と言い残してさっさ
と近藤を千切って行ってしまった。元気だ。でも,大丈夫か?いまからそんなに飛ば
して。
 

車が多いのとトンネル内の路面が荒れていて怖いのと 10%の壁がコタえるので,直接
乗鞍高原へ向かわずに県道を野麦峠方面へ,奈川渡から有料林道(自転車は無料)で
白樺峠を越えるおなじみのルートをとる。パソコンにデジカメが重いのも毎度おなじ
み。ゆるゆるよろよろと高度を稼ぎ,峠に到着。明日に備えてアップだぁ...と言
いたいところだが,それにしてはちょいとハードだった。しかし,登っていくそばか
ら調整に余念のないロード集団が。どうも〜・・・なんて挨拶しながら,ぢつはお互
い闘志めらめら。

白樺峠から乗鞍岳遠望。ちょっとガスっているが,天気は良好である。むしろピーカ
ンでない方が,森林限界を越えてさえぎるもののない山登りにとっては好都合だ。登
ってくるロード。既にへろへろな人もいる。ひひひ。アップで疲れてちゃ,なんにも
なりませんぜ,だんな。

一ノ瀬園地まで来ると,うわ,いるいる。コルちゃんにピナちゃんにビアンキ君。
乗鞍高原・鈴蘭に接近するにつれて,自転車密度がだんだん濃くなってゆく。走り回
っている自転車を横目に,松本駅発白樺峠越えの風格を漂わせつつ(?)ゆったりと
会場の観光センター前駐車場へ進入する。一帯は,いつものひっそりとした乗鞍高原
とは別世界の異様な雰囲気につつまれている。乗鞍に登る,そのためだけに集まった
4000人近い人々。(温泉・ビールのために来た奴もいるが ^^;) 溢れ返る人と自転
車。明日のスタートを前にして,いやがおうにも高まるテンション ...はちょっ
とおいといて,とりあえず受け付けを済ませてしまおう。もう午後3時,受け付け締
め切りは午後5時だ。
たれパンタ号,ヨーロッパアルプスツーリング仕様で乗り付ける。フロントバッグに
パニアバッグもぶら下げて,結構目立つぞ。参加証を出して,ゼッケンとセンサーを
受け取り,センサーをハブに取り付けて反応チェック。感度良好。参加賞のTシャツ
をもらってユースへ向かう
 

「どうも〜 お世話になりますぅ」「あ,お仲間の人が一人着いてますよ。」「誰?
青木さん?」「いや,見たことのない...でも近藤一族だそうだから」
ああ,体力オバケの中田さんだな。ぢつは近藤もこの時点ではまだ彼の顔を知らない
のである。でも「近藤一族」で通じているようだから,まいいか。(笑)
部屋に上がると,風穴の里にいたお兄さん。1時には着いてた…ってめちゃくちゃ速
い。たしか別れたのは12時頃だったはず。それにしても青木さん遅いな。いつもの
彼らしくない。もう受け付け締め切りの5時を過ぎようとしている。と,丁度到着し
た,乗鞍系のロードおじさん。「事故があってね。風穴の里のちょっと先のトンネル
のところ。もう大渋滞。受け付けの締め切りも延長するみたいだよ。」まあ,よりに
もよって迷惑なことで。これにつかまっちゃったんだな。
中田さんがやってきた。やや,初めまして...いや,お噂はかねがね青木さんから。
初対面の「近藤一族」。ヘンだ。

青木さん登場。案の定,渋滞にひっかかっていたようだ。東京から10時間近くかか
った計算になる。車に便乗だから良かった,といっているが,ダメージは大きいに違
いない。しめしめ。
夕食前に中田さんの自転車のセッティング。どうやら初走行らしい。(それでいきな
り乗鞍か?さすが体力オバケ。)フレームはサスなしマウンテン。ハンドルはドロッ
プ,タイヤはやや細身のリジット…だったかな。ちょっと会場の駐車場まで一走り。
シートポストが短く,サドル位置が低すぎてポジションが出ない。ん〜。まあ今回は
これで走るしかないか。

ユースに戻って夕食・フロ(温泉!)。ところが...オーバーブッキングがあった
らしく,というより予約なしで飛び込んできたオジサンがいたらしく,近藤一族は階
下のスタッフルームへ押し出されてしまった。乗鞍岳目当てに毎シーズン通い詰めて
すっかりお馴染みなだけに,こういう時は真っ先に白羽のフラグが立ってしまう。フ
トンに寝られりゃいいよ,と言ってくれた中田さんに青木さん,ごめんなさい。
 

温泉つかったあと,食堂でビール。そこで企画が一つ持ち上がる。ユースの管理人の
若奥さん,風船を持ち出してきてバルーンアートをこしらえ始めた。これを明日ヘル
メットにつけて走れば,目立つよー。新聞・テレビに取材されるかもしれないし。
青木さんは赤のウサギ,中田さんは黄色いゾウ,近藤は青いダックスフント。ゾウが
どうもそれらしくないので,中田さんが目鼻を書き込んだら,ますます「やる気のな
い」表情になってしまった。本人はいたってまじめなんだが,そのギャップがおもし
ろい。 …そんなこんなでもう12時。明日は5時起きだぜ。だいじょうぶなのか?



8月27日

朝5時15分。食堂にはもうレーパンはいてやる気満々の人がいる。こちら,立ち上
がりはいつも重い。某パソコンOSみたいだ。でも夕べのうちに準備を済ませておい
たので,朝食済ませて着替えたらあとは自転車の最終点検。たれパンタ号も既にキャ
リアを外してツーリング仕様からレース仕様に早変わりしている。6時半,会場の方
が賑やかになってきた。いざ出陣,である。風船をつけたヘルメットをかぶり,3台
連なって会場へ急ぐ。風船,おこちゃまに大人気。沿道の応援団からは,あれならす
ぐ判っていいや,という声。よっぽど目立つんだな。

会場に待機するマイクロバスに荷物を託す。旅館の送迎マイクロバスが駆り出されて
いるらしい。他にもこの辺の旅館のご主人が沿道監視にあたっていたりして,こうい
う手作り感覚がなんともうれしい。みなさん,お世話になってます。
防寒着やカメラなどをバスに預けて体一つで登る...これは初めての経験。いつも
何かしら持って歩いているから。これだけでも速く登れそうな気がする。
会場の駐車場を埋め尽くす人と自転車。すごい。すごすぎる。いつもの乗鞍高原じゃ
ない。3600人に3600台の自転車。一台20万円として,一体幾らになる?とユースに同
宿した人が言っていたけど...
 

開会宣言が始まったが,すでにもう居場所がない。会場の隅に追いやられてしまった。
青木さんと中田さんは男子Bクラス434人,7時44分発。近藤は男子Dクラス
489人,7時52分発。7時を過ぎたところ,スタートはまだまだ先。上空をヘリ
が舞っている。暑くなってきた。7時半,チャンピオンクラスがスタート。続いて各
クラスがほぼ4分おきに順次スタートし,8時には各クラス総勢3600人がコースに入
ることになっている。

...Bクラスが発進。Dクラス,スタートラインへ移動する。Bクラスに遅れるこ
と8分,Dクラススタート。青木さんに追いつけるかどうか,きわどいところか。し
かし500人近くが一斉にスタートできるはずもなく,近藤が動き出したのは,号砲
が鳴ってしばらく経ってから。このロスタイム分は馬鹿にできない。スタート後しば
らくは一団となって進む。いつものツーリングペースと同じかやや遅いくらい。
これではタイムはでない。早速抜きにかかる。ラインの空くのを待って,踏み込んで
加速して。右に左に「車線変更」しながら動くシケインをかわす。国民休暇村付近ま
ででDクラスの半分近くをブチ抜くが,脚を使っている割りにペースは良くない。周
りとペースが合わず,惰行・加速の繰り返し。たれパンタ号,反応良くついてくるが,
そのうちに4分前発進の前クラスにも追いついてますます走りづらい。

第一チェックポイント,三本滝レストハウス前。6日に青木さんと登ったときに比べ
て1分半のアヘッド。少しリカバったが,それでもこんなもんか。このあたりからば
らけてきて,大分走りやすくなったが,ここで調子に乗ってはいけない。我慢,我慢。
と,傍らを4分後に出たはずのマウンテンの一走が追い越して行く。うー,速い。で
も無理してついてゆくことはない。相変わらず動くシケインをかわしながら,ツーリ
ングペースよりやや速い速度を維持する。お,2000年ビアンキ。いただきます。

あたりには4分前,8分前,さらには16分前に出たクラスの選手が入り乱れ。その
中で同じクラスが2〜3台,ついたり離れたり。このへんが実力伯仲,といったとこ
ろか。後方から車が接近。大会関係車か。うーむ,なんだかなあ… と思ったら,こ
れがビデオの撮影車。ひょっとしたら,テレビに映る?しかも周囲よりちょっと速い
丁度いいペース。よし,後ろについて牽いてもらおう。カメラがこっち向いたぞ。ヘ
ルメットの風船に気づいたらしい。手を振る。カメラマンのお兄さん,ニヤリと笑う。
そのまま10台以上をごぼう抜き。いいぞいいぞ。ばっちり写ったようだし。周りか
ら,「ビデオ買うから,撮って〜」の声が。よし,俺も一本買うぞ。風を受けて,ヘ
ルメットのダックスフントが尾を振る。その振動が伝わってくる。結構怪しい光景か
もしれない。

第二チェックポイント,位ヶ原山荘前。早ければこの辺で青木さんを捉えられる予定
だが...影もかたちもない。緩斜面で一気に加速する。給水はなし,そのまま駆け
抜ける。56分,3分のアヘッド。う〜む,1時間20分切れるかどうかのきわどい
ところ。胸突き八丁の位ヶ原に進入。標高は 2400mを越えて,ゴールまであと 5kmの
カンバン。ここが辛抱のしどころ,なのは毎回痛めつけられているから良くわかって
いる。それにしてもペースが上がらない。前半脚を使いすぎたせいか。しかし大雪渓
横を通過,まだギャラリーに手を振る余裕がある。カメラマンがニヤリとこちらを狙
っている。手を振って応える。おっと,青木さん発見!ヘルメットの赤い風船が目立
ちまくり。(俺のもそうなのかなぁ)

一気に寄って声をかける。 …やっと追いついた〜  …おいつかれたぁ〜〜
中田さんは?(近) わかんない。抜かれてはいないはず。(青)
そういえば何処で抜いたのかな,ぜんぜん気づかなかった。さて,あと 2km。緩斜面
で一気に加速...だが伸びがない。時間が過ぎていく。うー。20分切れるかどう
か。ダッシュを試みるが,ゴール付近混んでいる。あと 20m,10m,...ゴール。
 

手元の時計で1時間19分50秒。きわどい。スタート時のロスタイムによっては,
20分台か。ゴール付近,一息つく人々で大混雑。なに,もうこんなに登ってきてる
の。そういえば,既に下山スタンバっているグループがあった。とにかく混雑の中,
荷物の回収。ボトルの水を一気にあおってあたりの様子をスナップ。畳平が異様な雰
囲気。いつもは車が埋めつくしている道を,今日は人と自転車が埋め尽くしている。
青木さん登場。早速「疲労インタビュー」。ゴールまで 5km地点から,力が入らなく
なったとか。ハンガーノックかもしれない。

そのうち中田さんも登場。あれ?速いじゃないですか。1時間40分くらい?しかも
あのマウンテン風で,サドル位置あってなくて...恐ろしい。やっぱり体力オバケ
だ。とりあえず,畳平のバスターミナルで一休みすることにする。コーヒーセットに
ビール中ビン(をいっ!)。ハンガーノックの青木さんと食欲の鬼と化した中田さん
に,ツアラーの用心・あんパンと赤飯おにぎりを進呈。2人がこれに気を取られてい
る隙に遊歩道へ降りて,高山植物のイワギキョウとトウヤクリンドウをゲット。さす
がにマウンテンサイクリングのゼッケン背負って高山植物の写真を狙っている奴は他
にいなかった...
 

さて,11時。そろそろ下山しようか,と自転車を引き出したら,たれパンタ号の前
輪のチューブがバースト。さらに後輪のスポークが一本飛んでいる。バーストはおそ
らく平地の3分の2しかない気圧のせい,スポークは...多分緩んでいたのだろう。
そういえば,位ヶ原大雪渓手前で後輪が音を立てた。横を走る自転車が撥ねた石でも
当たったのかと思っていたが,スポークが折れていたとは。ああ乗鞍。

スポークはとりあえずそのままに,前輪のチューブを交換して下山にかかる。タイム
リミットぎりぎり,最終下山になんとか間に合った。これ以降は自走下山は禁止とか。
途中,第二と第一チェックポイントに止まりつつ鈴蘭の会場へ。前から車が来ないの
で降り易い。でもそこかしこでタイヤトラブル。道路荒れてるから,速度抑えないと
すぐリム打ちですよ。登って降りて,エア圧も下がっているはずだし。

会場に到着,ここで一休み。センサーを返却。駐車場の真中でタレていたら,記念撮
影の依頼に雑誌の取材。ヘルメットの風船が目立っているからかなあ。表彰式+抽選
会は14時半,まだ時間があるので,一旦ユースに戻って温泉つかって戻ってくるこ
とにする。どうも〜,ただいまもどりましたぁ〜。風船大成功でしたよ。
後泊組はぐっと少なく,今夜は部屋1つを占領できる。早速引越し。
 

会場に戻る。腹が減ったので,屋台でアメリカンドッグと冷やし中華,850 円也。そ
してビデオの申し込み。写ってるといいなあ。速報が張り出された。黒山の人だかり。
クラス72位でタイムは...1時間20分16秒!やっぱりスタートのロスタイム
が響いてる。青木さんは1時間27分か28分か,こちらは30分を切って目標達成。
初出場でこれは大した好成績。中田さんは...1時間40分台。彼がポジションの
出たロードに乗ったら,ざっと20分はタイムが良くなるハズ。これはえらいことだ。
恐るべし体力オバケ。

表彰式が始まる...がお目あてはその後の抽選会。寝て待つ・・・顔に何かあたる。
雨かなぁ・・・と思った矢先に土砂降り。山はこれだから。飛び起きて避難,表彰式
も中断。

30分ほどで雨があがって再開。地面が濡れて寝転べない。抽選会が始まる。出物は
フレームポンプ10本,サドルバッグ10個。大物はマウンテン3台にロード3台,
さらに協賛ショップからマウンテンフレーム2本に完成車2台。おお,どこかの抽選
会よりもよっぽど太っ腹だぞ。 …でもそうそう当たるもんじゃないですね。さ,帰
ろう。
ユースに入る。中田さんとはここでお別れ。山岳中毒患者1名様ご案内。

ユースで夕食,ビール。食後に,ビール。寝る前に,ビール。温泉に,ビール。
...あとは寝るだけ。



8月28日

祭りの後の寂しさが漂う,乗鞍。あれだけ居たローディーは昨日のうちにあらかた去
ってしまって,いつものひっそりとした乗鞍高原に戻った。青木さん,荷物の一部を
宅配に出して,9時半のバスで輪行することに。でも昨日10位入賞して賞品のワイ
ンを振舞ってくれたカレラ乗りのお兄さんが松本まで自走するというので,くっつい
ていくことにしたようだ。お気をつけて。
こちらは今夜も泊まって,地元の小学校で4年生に折り紙を教えてやることになって
いる。

折り紙教室から戻ってくると,ユースの若だんなが手招きしている。厨房の流しに
イワナ。ヘルパーのお兄さんが裏の川で手づかみにしてきた天然ものだそうだ。今夜
はこれを炭火で焼いて,バーベキューだ。もう,一つ。こんどはなんだろう。「市民
タイムス」というローカル新聞にマウンテンサイクリングの記事が出ている。おお,
なんとヘルメットに「やる気のないゾウ」をつけた中田さんが,アップで写っている。
真剣な表情と頭の風船のギャップが笑いを誘う。 

…スタート直後は,込み合って接触から転倒する場面も。ヘルメットに風船をつけて
 走ったり,手を振って声援にこたえる選手などもいた。

風船をつけていたのは我々3人だけ。TEAMチアノーゼ,マスコミ初登場を果たしまし
た!

以上,報告おわり。


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