1999年夏 信州

ツーリングレポート


毎年恒例,夏の信州自転車旅のレポートです。

ルート

7月31日 立川駅…輪行(夜行アルプス)…信濃森上駅
8月 1日 信濃森上駅−栂池自然園−木崎湖
   2日 木崎湖−信濃大町−乗鞍高原
   3日 乗鞍高原−乗鞍岳山頂畳平,往復
   4日 乗鞍高原
   5日 乗鞍高原−乗鞍岳山頂畳平,往復
   6日 乗鞍高原−松本…輪行…上田,青木村
   7日 青木村周辺
   8日 丸子町−和田峠−白樺湖
   9日 白樺湖−霧ヶ峰,往復−麦草峠−松原湖…輪行…新小平
 

ツーリングレポート

7月31日(晴れ)  立川…信濃森上

梅雨明けの声を聞くといてもたってもいられない。99年度下期予算編成作業など
というこの世にあるまじきジジババ仕事もようやく目処がついた。神経すり減ら
し,一触即発状態。一刻も早く山にズラかってリフレッシュしたいが,くたびれ
たのでしばし休んで,今夜いよいよ出発。すべてを忘れて,仙人暮らしに徹する。
もう,だれにも邪魔させないぞ!

立川発,臨時夜行急行アルプスで信濃森上へ。土曜の夜だが結構空いていて,1
ボックス占領で寝て行ける。臨時でない純正急行アルプスは結構な混み具合。
松本から大糸線に乗り入れ,夜明けを迎える。左手の車窓に北アルプスの山並み。
朝日に 2000mの山並みが輝く。列車の走る谷間はまだ朝モヤの中。列車が揺れる
けどカメラを構える。ダメでもともと,電線をよけつつ電柱よけつつシャッター
を切る。

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8月1日(晴れ) 信濃森上−栂池自然園−木崎湖

早朝,信濃森上から栂池を目指す。標高1,850mにある栂池自然園まで林道がある
が一般車は進入不可,観光客はゴンドラリフトとロープウェーを乗り継ぐことに
なっている。自転車はこの林道を通行可能で,ここで毎年ヒルクライムレースも
開催されている。たまに事業用車両が通るくらいで車が来ず,静か。湧き水も豊
富で快適である。パラグライダーが山並みをバックにのんびりと輪を描いている。

高度を上げるにつれ,青空を背景に雪渓の残る白馬岳と白馬乗鞍岳の雄姿が迫る。
自転車止めて1ショット。地名は「はくば」だが,山は「しろうまだけ」が正し
い。春先に田んぼを起こす「代掻き馬」に似た雪型が出る,というのが名前の由
来なので。栂池自然園入り口付近まで乗り入れ,自転車を置いてあとは歩くこと
にする。ツアーオバチャンの群れに混じって湿原を散策。結構な混雑。
ツアーオバチャンたちを引率する自然保護員のおじさんにつかず離れず,高山植
物を解説付きで楽しませて頂く。ワタスゲ,ヒオウギアヤメを前景に白馬岳,湿
原にはニッコウキスゲ,タテヤマリンドウ,モウセンゴケ。森に入るとキヌガサ
ソウにゴゼンタチバナ。タダでいろいろ教えてもらって,おじさん感謝。
午後山を下り,大糸線沿いにくだって木崎湖湖畔のユースホステルに泊。

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8月2日(晴れ) 木崎湖−乗鞍高原

一路乗鞍高原を目指す。大糸線沿いに安曇野を南へ。道はゆるい下り坂だが,向
かい風が滅法強い。こういう時はしみじみ連れが欲しいと思う。風除けなしの孤
独な一人旅は疲れます。
信濃大町で買いもの,豊科駅前でバテて昼寝。涼しい栂池からいきなり炎天下,
遮るものとてない安曇路。寝不足に暑さがこたえる。あちこちで小休止しながら
夕方,乗鞍高原ユースホステルに入る。走行距離は6-70kmというところだが,そ
の倍は走った気分。

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8月3日(快晴) 乗鞍高原−畳平

お約束の畳平アタック。昨日の疲れがまだ尾を曳いている。でも登りタイム1時
間31分で昨年より1分の短縮。風が冷たいが天気はすこぶる良好である。午後
3時過ぎまで槍・穂高がくっきりと見渡せる。こんなことは滅多にない。
ヨツバシオガマ(紅),コバイケイソウ(白),ハクサンイチゲ(白),イワギ
キョウ(紫),ウサギギク(黄),シナノキンバイ(黄),アオノツガザクラ。
まだある。ここにもある。うれしいことに今年はコマクサが非常に多い。ほとん
ど9割以上の人は気付かないようだが。場所はあえて伏せる。自分で探すこと。
フィルムは豊富に用意してるし,ここぞとばかり撮りまくり。カメの歩みで30分
もあれば回れる遊歩道を2時間かける。

午後おそく,潮が引くように観光客がいなくなる。麓の宿の食事時間がだいたい
5時半頃からなので,それに間にあわせるためだろう。ちょっと粘れば,昼間と
はまったく異なる表情を見せる,夕暮れ間近の静かな山のたたずまいを堪能でき
る。この辺は身軽な自転車ならでは。名物朴葉味噌をしこたま買い込み,位の小
屋で美味いコーヒーをご馳走になって下山。

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8月4日(曇り) 乗鞍高原

休養日。これまでの三日間,ちょっとハードだったので。昼頃,YHのすぐ裏の
川にハマってあわてているお間抜けなカモシカを発見。カメラに収める。
中部大学のサイクリング部ご一行が到着,畳平の話をしてやったら何人かが乗り
気になる。よし。明日はいっちょうもんでやるか。

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8月5日(晴れ) 乗鞍高原−畳平

お約束の畳平アタック第二弾。大学生有志5名を2+3に分け,3人を先に出し
45分後残りの2人を引き連れ出発する。このうち一人はどこかのレースで3位だ
とかで,重いMTBながら早々に千切られる (;_;) もう一人もMTBでぴった
りくっついてくる。さすが現役大学生。コノヤローと思いつつ位ヶ原手前でなん
とか振り切って面目を保ったが...MTBにしてやられるとは。こうなったら
オヤジ社会人の必殺技,財力にモノ言わせての機材勝負だ。タイム1時間28分。
1時間半を切って今年の目標はいちおう達成である。学生も全員完走。畳平はあ
いにくガスの中で気温も低いが,みな満足して記念撮影。
下山後,急性山登り中毒患者5名は上高地を目指して出発していった。嗚呼。
慢性山登り中毒患者1名の方は,YHにもう一泊することにして一ノ瀬牧場で昼
寝する。

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8月6日(曇り+にわか雨) 乗鞍高原−松本…輪行…上田,青木村

前夜はYHの管理人さん(ペアレント,という)に頼まれ,午前3時まで折り紙。
泊まるたびに毎回何かしらリクエストが来る。今回は巨大トリケラトプスを摸造
紙で。作品は受付横に吊してもらっているが,年々エスカレートして既に恐竜ワ
ールド状態。。。
今日もうひと登りするつもりだったが,天気も悪いし寝不足だしでやめにする。
午後遅くに乗鞍高原YHを出て松本へ,そして上田まで輪行。出発直後ににわか
雨。行く手に大きく虹がかかる。

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8月7日(晴れ) 青木村とその周辺

青木村付近で別荘ライフを満喫。去年袋井で6時間耐久エンデューロレースを一
緒に走った自転車好きの知り合い,出発前に連絡を取りあってスケジュールをあ
わせてもらったのである。ふふふ,いい場所に拠点ができたぞ。
付近の修那羅峠,四十八曲峠を攻める。標高はどちらも1,000m前後。2,000m超級
の峠のようなスケールこそないが,ここも信州。風情たっぷり。一日のんびり楽
しんで沓掛温泉で汗流したあと,地ビールだワインだと明け方まで呑んだくれ状
態。極楽。

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8月8日(晴れのちにわか雨) 丸子町−和田峠−白樺湖

丸子町まで送ってもらい,和田峠経由白樺湖を目指す。(青木さんお世話になり
ました)
途中雨に降られながら,中山道を行く。最近は「道の駅」なる気の利いたモノが
あちこちに出来て,休むのにも便利になった。相当の山奥にでも行かない限り,
郵便局には ATMあるし。
歴史の古い道だけあって,沿道の民家や道端のお地蔵さん(道祖神というのか)
にも趣がある。とは言ってもここは北信と諏訪を結ぶ幹線道路。交通量も多く,
周囲にみとれてばかりもいられない。
大型貨物に煽られつつ,旧道に逃げ込む。路肩がいきなり崩壊していたり。でも
交通量はぐっと少なく,水も豊富で有難い。ビーナスラインへ出て振り返ると,
和田峠には雨雲がわき上がっている。夕陽が目にまぶしい。

途中,八島湿原に自転車を止め,散策する。ここは天然記念物に指定された高層
湿原で,高山植物の種類が豊富。残照を受けて,山が映える。夕暮れの積乱雲を
バックにヤナギラン,ツリガネニンジン,ノアザミ。6時を回っていたので,人
もなくひっそりと静か。
7時過ぎ,すっかり暗くなってしまったので白樺湖へ急行する。約18kmの道のり
を登って下って35分。霧ヶ峰付近,霧に包まれて見通し悪いが,対向車がないの
をいいことに時速50km超でコーナー攻めまくり。
霧が晴れるとまもなく,眼下に白樺湖の灯がまたたく。まるで夜間飛行のよう。
少々晩飯の時間に遅れたが,無事白樺湖ユースに到着。

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8月9日(晴れ) 白樺湖−霧ヶ峰−麦草峠−松原湖

締めはいつもの麦草峠。その前にゆうべ高速で通過した霧ヶ峰をゆっくり見るこ
とにする。白樺湖−霧ヶ峰,通行料片道50円也。ただし,夜になるとフリーパス。
カワラナデシコ,アカバナシモツケ,オオバギボウシ。期待したマツムシソウは
それほど多くはない。まだ早いのか。でも青い空,緑の草原,白い雲。絵に描い
たような明るい夏の高原風景。

YHに戻り荷物を回収,昼飯までご馳走になって出発する。
ただでさえ重い自転車が,お土産品満載でとんでもないことになっているが,そ
れでも2時間弱で麦草峠に到着。深い針葉樹の森の中,峠には麦草の名の由来と
なったイネ科の植物と熊笹の草原。テガタチドリにハクサンフウロが色を添える。
峠の小屋で,ヤマネの縫いぐるみ2匹と青リンゴ3個。しばし休んでボトルに水
とともに山の清気を満たし,さらに重くなった自転車もろとも松原湖駅に落ちて
行く。秋雲の浮かぶ夕暮れ空をバックに北八ヶ岳連山のシルエット。旅の締めく
くりにふさわしい。

松原湖駅にて自転車を分解,小海線に拾ってもらう。10日間の旅を終え,うっす
ら「埃たかく」なっている。車内にて軽井沢地ビールとみそカツ弁当の晩餐。中
央線の鈍行列車に乗り換え,てくてく帰って0時ちょっと前にご自宅着。山を下
りた仙人には,ふたたび朝な夕なに武蔵野線の吊り革にぶら下がる生活が待って
いる。でもとりあえず。全身に満たして,さらにボトルにも詰めた山の清気が残
るあいだは...


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